この大震災では、被災地の人材不足を補うため、官民でいくつもの試みをしました。
自治体へは、応援職員や任期付き職員採用など。民間の力を借りた例では、「ワーク・フォー・東北」です。
いま、また新しい試みが成功しつつあります。「マチリク」です。
単なる求人と求職の斡旋(職業紹介)ではなく、求職者の不安解消と求人側の問題点解決まで踏み込み、さらに就職後も支援します。
田舎の中小企業、年に1人も採用しない企業だと、応募する学生も不安です。先輩も同期もいないし。他方で、中小企業も、毎年のように採用をするわけではないので、新人をどのように扱ったら良いか分からない。就業規則だって、あるかどうか。そこを、埋めるのです。
それを、自治体と地域企業が一緒になってやる。それをマチリクが支援する、という仕組みです。職業紹介だけでは、3年以内に多くの若者が離職しています。この試みでは、定着率が抜群に良いです。
詳しくは、ホームページと添付の資料を読んでください。
被災地を中心にやってきましたが、全国各地でUターンを求めている、若い働き手を求めている自治体が「ほしがる」仕組みでしょう。全国でも取り入れて欲しいです。
以下、藤沢烈さんの紹介文の一部を、転載します。
地方自治体の若者地元定着にむけた、官民連携の新しいアプローチ~マチリクプロジェクト
(地方自治体の若者地元定着にむけた2つの壁)
地方から東京圏への人口流出により、若者人口は減少の一途。仮に地方に留まったとしても、定着しません。
厚労省平成26年度新規学卒就業者3年以内離職率は、従業員100人以下企業は、大学38.8%、高校47.1%。
①地方の中小企業は若手人材の育成ノウハウに乏しく、働き方革命の最近は整備されて当たり前の労働規定が不十分な企業が少なくない
②大卒学生も、「キャリアになるのか」「相談できる同期・先輩がいるか」「労働環境は適切か」といった点を近年は重視
この2つの壁がある限り、合同会社説明会等のマッチングの場の支援だけでは課題は解決出来ません。
(2つの壁を乗り越えるコミュニティ採用・定着支援)
地方自治体がリーダーシップを取り、地域企業とリクルートキャリアと共に採用、定着に取り組むことを宣言します。軌道に乗るまでの地域企業への補助や、研修の会場提供などを行います。
リクルートキャリアは、就職サイトや合同会社説明会といったマッチングの場の支援に留まらず、研修や定期的な勉強会を通じノウハウを提供して地域企業の底上げを図ります。また各企業に入社した人材を一堂に会した研修を定期的に実施し、「地域同期」としてのネットワークを構築します。
この一連の活動そのものを広報することで、就職安心地域のイメージを醸成していきます。
(東北三陸地域での実施例)
2014年~2016年にかけて、岩手県釜石市、岩手県大槌町、宮城県気仙沼市で実施しました。3地域合わせて36人の採用と定着率90%で推移しています。