2月10日の朝日新聞別刷りbeの「サザエさんをさがして」は「働く人のうつ病」でした。
私が40年間社会人として働いているうちに、職場では様々なことが変わりました。まあ、変わらないことの方が多いのですが。変わったことの一つが、職員のうつ病です。
うつ病の職員が増え、メンタルヘルスが職場で大きな話題になっています。昔は、ここまでのことはありませんでした。官民を問わず、私以上の年代の管理職経験者は、同じことをおっしゃいます。
この記事によると、1970年(昭和45年)に、サザエさんが取り上げています。しかし、解説によると、当時はまだあまり知られておらず、1990年代からの増加が激しかったようです。今やうつ病は「国民病」と表現されています。患者数は111万人を超えているのだそうです。100人に1人です。受診者が増えたことも、要因のようです。
さらに、次のような記述も。
・・・そして、この動きは90年代末に入ると加速する。新しい抗うつ薬が発売され、製薬会社などは「うつは心の風邪」といった啓発キャンペーンを始めた。精神科への抵抗感が弱まり、受診する人が増えていった。電通社員の過労自殺訴訟で、最高裁が00年に「企業は、過労で社員が心身の健康を損なわないようにすべき義務がある」との初判断を示したのも大きかった。逆に「軽い気分の落ち込みまで、うつ病と診断されている」という批判も出るほどだった。
一方、うつ病は「時代や社会を映す鏡」ともいえる。それは、海の病棟の患者層を時系列に見るとわかる。設立された89年から数年は、「きまじめタイプ」の公務員や教師が多かった。バブル末期の90年代初めは接待漬けの商社マン、企業のIT化が進むと働き過ぎのIT系社員、最近は超高齢化による人手不足を反映して看護師や介護職員が多いのだという。
2000年代後半に入り目立ってきたのが、いわゆる「現代型」といわれるうつ病である。徳永院長によると、きちょうめんで自分を責める「従来型」と違い、周囲に攻撃的で、休日は旅行に行くようなタイプのうつ病を指す。若い世代に多いという。「様々な要因があるが、職場への帰属意識の希薄化が一因でしょう」
社会心理学者の加藤諦三さん(80)は「バブルがはじけ、企業は本来の姿である機能集団になった。さらに家庭や地域が弱体化し、日本人は情緒的満足を求める場所がなくなった」と指摘する。・・・
職員のうつ病、心身症は、多くの職場で管理職が悩んでいることです。
古くなってすみません。「ホームページに書かなければ」と思って、切り取って半封筒に入れてあるのですが。ついつい他の記事を優先しているうちに、後ろの方に行ってしまい、忘れてしまうのです。反省。朝日新聞はウエッブで過去記事も読むことができるので、便利です。