1月29日の日経新聞が、「小売店などの撤退で生活に支障をきたしている地域を抱えた自治体が4割に上ることが判明、自治体主導で店舗やガソリンスタンドを設ける事例もあった。小規模集落を抱えたところも多く、住民の生活をどう支えるのか試行錯誤している」と伝えています。「店舗閉鎖「生活に支障」4割 人口減市町村」
調査対象は、2015年の国勢調査人口が、2010年に比べて10%以上減少した220市町村です。回答は175です。
市町村は、ガソリンスタンドや商店を設けたり、バスを走らせたりしています。集落が消滅する事例も出ていますが、住民が減った地域でどのように商業サービスを維持するか。新しい課題です。
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変わる古代史
佐藤信編『古代史講義 邪馬台国から平安時代まで』(2018年、ちくま新書)が、勉強になりました。
古代史も、新しい発掘とともに、視野が広がる(国際的観点、地方史、社会史など)ことによって、かつてとはかなり変わってきています。この本は、最新の研究成果と研究動向を、一般向けに解説したものです。この期間の、15のテーマを取り上げています。
例えば、「飛鳥・藤原の時代と東アジア」「平城京の実像」「奈良時代の争乱」「受領と地方社会」など。
「へえ、そうなんだ」と驚くことが、たくさんあります。
難しい判断、比較不能なものの選択
表題を見ると、「どんな難しいことか」と思われた方もおられるでしょう。今日書くのは、もっと身近な話題です。
小さなことながら、私たちは毎日、決断を迫られています。
風邪気味で熱があるとき、職場に出勤するかどうか。体調の悪さと、その日の仕事の重要性とを比較しながら、判断するでしょう。
夜の飲み会が予定されているのに、夕方急に急ぎの仕事が入ったとき。飲み会を優先するのか、仕事を優先するのか。
同じ時間に、Aさんに誘われた会合と、Bさんの会合が、ぶつかったとき。どちらを断るか。
それぞれに、自分で判断しなければなりません。
親族が死んだときに、どの程度休みを取るかは、規則で休暇の基準が決まっています。これは、一つの標準があるので、それに従うかどうかになります。難しく考えないなら、規定通りに休めば良いです。
東京駅から新宿の会合場所まで、たくさんある経路のうち、どれを選べば早く着くか。これは、コンピュータが選んでくれます。しかし、上に書いたような問題は、どちらを優先するか、客観的な科学的な物差しがないのです。
それが「比較不能なものの選択」です。これは、高等数学でも、AIでも解けません。長谷部恭男先生に『比較不能な価値の迷路―リベラル・デモクラシーの憲法理論』(2000年、東大出版会)という著書があります。
コンピュータが解けない問題にも、2種類あります。
朝食を、ご飯にするかパンにするか。これは、気分で決めても問題ないでしょう。結婚相手に、Cさんを選ぶかDさんを選ぶか。これは大きな問題で、あなたの人生は大きく変わります。しかし、好き嫌いで選んでも、あなたが納得すれば良いことです。
しかし、Aさんの会を優先するのか、Bさんの会を優先するのかの場合、どちらにどのように説明して断るのか。あなたのこれからの、職場人生を左右するかもしれません(笑い)。結婚相手を選ぶより、難しい判断なのです。
この2つの差は、結果が本人限りですむ問題と、周りの人たちとの関係に影響を及ぼす問題との違いです。そして、選ぶより断る方が難しいのです。
日経新聞夕刊コラム第6回
私は大学を卒業して、そのまま公務員になりました。民間企業などの職場を知らずにです。職場の習慣のいくつかについて「変だなあ」と思いつつ、「先輩たちもやっている。これで良いのか」と、それに慣れてしまいました。
スリッパやサンダル履きについては、私も駆け出しの頃は、出勤するとサンダルに履き替えていました。しかし、お客さんに会うときはまずいと思い、その都度、靴に履き替えていました。
大臣秘書官になって、一々履き替えるのは面倒になり、サンダルをやめました。その際、蒸れないように、メッシュの黒靴を室内履きにしました。これは、重宝しました。亜熱帯気候になる日本の夏には、一日中革靴でいることは、きつかったです。
民間の方とつきあうことで、他のことにも「やはりおかしい」と思うようになりました。9時30分始まり18時15分終了という勤務時間も、いずれ変わっていくと思います。
早速、反応がありました。
・表題は「役所の非常識」ではありませんか。
・まだ、サンダル履きの人を見ます。
・国会待機で、毎晩遅くまで役所にいます・・・。
ところで、このコラム執筆の苦労について、お話ししましょう。今回は、まずテーマについてです。
テーマ選びは、難しいです。何を書いても良いのですが、それがかえって難しいです。私は、随筆家ではありません(将来そうなれば、うれしいですね。笑い)。新聞社も、私にそのような内容を求めていないでしょう。
コラムとは、「ニュース以外の評論やエッセイなどの短い文章で、客観的な事実をもとに主観的な見解を挟んだ囲み記事」のことだそうです。
私は、官僚の生態学や経験で考えたことを、書こうと思っています。官僚は、新聞では批判の対象になり、また夜遅くまで働いている例として取り上げられますが、その実体はあまり知られていません。私の体験を元に、少しでも紹介できればと考えています。
雑談力
2月6日の日経新聞夕刊「Bizワザ」は、「雑談力磨き つかめ信頼 」でした。詳しくは本文を読んでいただくとして。そこに表になっていた、「雑談のコツ」が勉強になります。
・相手に関心を示すことが重要
・自分のことを話しすぎない。商談の冒頭から半分くらいまでは相手に話してもらう
・質問は「5W1H」で。相手が「はい」「いいえ」以外で答えられ、話題が広がる。
・相手と目を合わせる、相手の話にうなずくなどのボディランゲージで信頼関係を築く
・年上と話すときは「教えてください」というスタンスが基本
・年下と話すときは世代を意識した発言は避ける。背もたれにもたれないなど座り方にも注意