年別アーカイブ:2017年

牛尾治朗さん、次の70年に向けて

2017年2月28日   岡本全勝

2月27日朝日新聞「証言そのとき」は牛尾治朗さんの「脱しがらみ、民から変革」から。
・・・経済団体で様々な役職についたが、一番印象的だったのは2001年から5年半ほどつとめた経済財政諮問会議の民間議員だ。
《官邸主導が旗印の諮問会議は、公共投資10%削減、構造改革特区の導入、郵政民営化など、毎年、大方針を決めていった。ただ、選挙で選ばれていない民間人が政策づくりに直接タッチするやり方に批判も出た。》
それまでの自民党政権は大蔵省(財務省)を中心に水面下で調整し、毎年11月ころにばたばたと大臣折衝で決めるやり方を繰り返していた。与党も族議員を介し地方や農家、商店街、中小企業にカネを配る。民間は党や役所に陳情し、見返りを求める。これは政や官に依存する土壌を生みかねず、事実そうだった。
その仕組みを壊したのだから、反発や批判は当然だ。でもメンバーはみな、ひるまなかった。
諮問会議をさかのぼること約20年前、「土光臨調」で土光さんがこう言っていたのを当時よく思い出した。「(官尊民卑は)官が尊大だからそうなるのではなく、官に取り入ろうとする民の卑しい心が官尊民卑を招くのです」。卑しくなるな、との戒めである。
民間議員としての我々の主張は、物乞いや陳情とは違うんだ。公(おおやけ)は官僚だけのものではなく、まして政治だけがモノを申せるのではない。民も対等に提言し、既得権益を打破、政策決定プロセスを透明にしたから、世論の支持も受けたのだと思う・・・
原文をお読みください。

被災地復興視察

2017年2月27日   岡本全勝

今日は、南相馬市小高区と浪江町を視察してきました。小高区は去年の夏に避難指示が解除されました。徐々に住民が戻ってきています。駅前の商店で聞くと、これまでは復旧の作業員が多く、弁当、パン、カップ麺、お酒、おつまみが売れ筋だったのですが、住民が戻ってきたので野菜や調味料の要望が多くなったのだそうです。なるほど。
小高地区では、この4月から、小、中、高校が再開します。その準備を見に行ったのです。子供を持つ親御さんに安心してもらうため、徹底的な除染と校舎の改修をしています。
浪江町はまだ全町避難中ですが、今日の午前に、町長が3月31日に避難解除することを決断しました。太平洋岸に請戸漁港があります。25日に、避難先(近くの漁港)から26隻の船が帰還しました。ここでも、徐々に復興の動きが進んでいます。

今日は、奈良テレビの取材班が同行してくれました。現場には市長さんも来てくださり、また放射線量を調査する担当者もいて、その様子もカメラが撮っていました。ちょっぴり「ブラタモリ」気分でした。
もっとも、こちらは住民が避難しているという厳しい現実です。しかし、いろんな機会を通じて、復興が進んでいることを関西の人にも知ってもらえると、うれしいです。また、農産物も安全で、観光地も安心できることを知ってもらいたいです。

福島のホテルで、携帯用のパソコンでこの記事を書いています。松島社長にホームページを作り替えてもらって、便利になりました。

産業復興の事例集

2017年2月27日   岡本全勝

復興庁が、被災地の産業復興の事例を紹介する冊子「産業復興事例30選 東北発私たちの挑戦」を作りました。
震災後に売上等を回復させている企業(グローイングアップ企業)、過去の事例集に掲載した企業のその後の成長の事例(フォローアップ企業)、震災前後に新規創業、又は新規事業を開始した企業の事例(スタートアップ企業)の合計30社です。参考にしてください。電子版のほか、冊子も余部がありますので、お申し込みください。

見ていただくと、さまざまな商売があり、さまざまな工夫と苦労をしておられます。機械設備の復旧には国費で支援をしたのですが、売り上げを伸ばし事業として継続するのは、経営者の手腕です。
過去に取り上げた企業の、その後も追跡しています。それも含め、各事業所とつながりを持ち続けることは、役所としては結構珍しいことです。補助金なり減税なり申請を待って対応し、その後の見守りはあまりしないのです。しかし、補助金交付の件数と金額は、政策の「出力」アウトプットであっても、政策の「成果」アウトカムではありません。正しい政策なら、補助金なりの成果がどのように出たかを追跡すべきです。
これらの企業には、外からの視察団などを受け入れてもらっていて、ご迷惑もかけているのですが。被災地の産業が復興している実例を世の中に広報するために、ご協力をいただいています。ありがとうございます。

主な著作2

2017年2月27日   岡本全勝
下に並べた著作は古くなっています。
その他の著作は→著作一覧のページ

 

新地方自治入門-行政の現在と未来
(2003年10月、時事通信社

東京大学での講義を、単行本にしたもの。大学だけでなく、地方団体の議員や職員の教科書になっています。
地方自治体は、ナショナル・ミニマムと社会資本整備という課題を、実に良く達成しました。しかし、それらの課題がほぼ達成された今、次なる目標を探しあぐねています。これまでの成果を振り返り、「豊かな社会の政治と行政」に求められていることは何かを考えることで、日本の行政だけでなく政治や社会を分析しています。


地方財政改革論議-地方交付税の将来像
(2002年、出版社ぎょうせい)

地方財政、特に地方交付税の改革論議が高まっています。本書では、最近の地方財政改革論議を検証し、現在取り組んでいる交付税の見直しを解説するとともに、これからの地方交付税像を検討しています。三位一体改革がわかる解説書です。

省庁改革の現場から-なぜ再編は進んだか
(2001年、ぎょうせい)

平成13年1月に省庁改革が実行され、省庁の数は半分に削減されました。私は、この改革を準備するために内閣に設置された「改革本部」に2年半勤務しました。その体験と現場から見た改革をまとめたのが、この本です。

地方交付税・仕組みと機能-地域格差の是正と個性差の支援」1995年、大蔵省印刷局