年別アーカイブ:2017年

朝日新聞に登場しました。政治の役割

2017年3月6日   岡本全勝

朝日新聞が3月5日から「首長と震災」の連載を始めています。5日は伊澤史朗・福島県双葉町長、6日は阿部秀保・宮城県東松島市長でした。
阿部市長は発災直後から、すばらしいリーダーシップを発揮して、復興を進められました。がれき片付けについても、がれき置き場を性質別に分類して、市民が運ぶ際に分別するようにしました。たたみ、木材、燃えるゴミ、燃えないゴミ、金属など。混ざっていると、その後で分別する手間が大変なのです。金属類は、売るとお金になります。初めて視察に行ったときは、その手際よさに驚きました。かつての経験があったとのこと。他の市町村では、そこまで気が回りませんでした。この経験は、その後の災害、例えば熊本地震などでも生かされています。
また、新しい町での町内会作りについても、このホームページで、取り上げたとおりです。これらのことも、書いてほしかったですね。

さて、その記事の中に、私の発言が紹介されています。
・・・被災3県では新しいまちが出現しつつある。高台移転と土地のかさ上げによる宅地造成は1万9385戸が計画され、3月末までに69%が完成する。災害公営住宅も含めると、投じられた国費は2兆円。復興庁の前事務次官の岡本全勝(62)は「地元に住み続けたいという情念と、経済合理性は比較不能。それを決断するのが首長の仕事だ」と語る・・・

復興の過程で、時々質問を受けました。「このような大規模な工事をして防潮堤を作ったりや高台移転などせずに、住民に安全なところに引っ越ししてもらった方が、安くできるのではないか」とです。そのような考え方もあります。しかし、ふるさとで暮らしたい、もう一度町を復興したいという住民の気持ちと、外部の人が考える経済合理性とは、同じ尺度で判断できない選択です。諸外国ではこのようなふるさとを復興するのではなく、他の土地に移住する、あるいは国は支援せず住民に任せることが多いようです。これは、このホームページでも書いてきたように、日本の国柄でしょう。
それを前提として、多額の税金でふるさとの復興を支えるのか、引っ越しを勧めてそれを支援するのか。これは、官僚が決めることではないでしょう。民主主義国家、日本国憲法の下では、「比較不可能な複数の価値」に序列をつけるのは、政治家の仕事です。国民にそのために増税をお願いすると判断するのも、政治の役割です。もちろん、任せてもらえれば、官僚が「合理的」と考える判断をします。また、方針が決まれば、最も合理的な方法で工事を行います。
私の発言は、正確には「それを決断するのは政治の仕事だ」です。

近づく3.11。各紙の特集

2017年3月6日   岡本全勝

もう、3月です。あの日から、6年が経とうとしています。6回目の3.11が近づき、新聞各紙が特集を組んでいます。ありがとうございます。風化しつつあると言われる、あの大災害。その記憶を、国民の皆さんに引き継いでいただきたいです。

岩手、宮城の津波被災地では、高台移転やかさ上げによって町の再建が進んでいます。その様子が、写真を使って報告されています。写真の力は大きいですね。発災前の街の様子、津波の直後、片付けが終わった後、そして今。言葉で説明するより、わかりやすいです。もちろん、説明をつけないと、部外者にはわかりませんが。
工事は進んでいるのですが、他方で課題も指摘されています。人口流出、公営住宅の入居者の年齢が高いこと、孤立、商店の苦戦、高台の住まいから商店まで買い物に行くことが不便なことなど。これから、住民と自治体が、どのようにこれらの課題に取り組んでいくか。もちろん、国も支援団体も支援を続けますが、中心となるのは地域です。

違った条件にある福島の原発被災地では、順次避難指示が解除されています。報道でも、商店や住民が戻りつつあることが、報告されています。こちらも、まだ戻る住民が少ないことが、課題です。

各紙が取り上げてくれていますが、子どもたちが大きく成長した姿をみると、うれしいですね。彼ら彼女たちは、狭い仮設住宅、長距離通学、仮設校舎、避難先でのなじめない学校など、子供心に苦労をしています。それを乗り越えて育っています。この子たちを育てることも、復興の大きな要素です。

マスコミ各社が、客観的、長期的な視点で、この復興を取り上げてくれています。これもまた、各社と日本社会の成熟を示していると思います。昔だったら、「進まない復興」「住民に不満」など、行政に対する批判記事が定番でした。
でも、根拠と代案のない批判は、生産的ではありません。住民も、自治体も、応援に行った職員も、それぞれ精一杯に努力しています。もちろん、復興庁をはじめとする国も。
全員が満足する答えがない課題、直ちには解決できない課題があります。その際に、一部の立場に立って、ほかを批判する。わかりやすいですが、それでは前進はありません。

新著の宣伝

2017年3月5日   岡本全勝

出版社が、本屋での宣伝に力を入れてくださっています。POP広告というのでしょうか、本が並んでいる棚に立てる小さな広告です。その実物の写真を、送ってもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

本に出てくる「岡本のイエローカード」の実物(やや小さいですが)が、ついています。笛吹き中年の似顔絵(スタンプです)と、私が書いた万年筆の字もそのままです(苦笑)。

実際に立っているところです。

SNSで分断される社会

2017年3月5日   岡本全勝

「フィルターバブル」という言葉を、ご存じですか。2月24日の読売新聞解説欄「SNSで分断される社会」で取り上げられていました。ネット上のサイトが、利用者の好みに合わせて情報をフィルターにかけて選別することで、利用者は自分と異なる意見から隔離され、自らが作った泡(バブル)の中に閉じこもることです。
ここでの「バブル」は、バブル経済のように実態なく膨らみ、いずれはじけ飛ぶ「泡」ではありません。他者を排除する壁です。ウィキペディアにも載っています。

ジョシュアベントン、ハーバード大学ニーマン・ラボ所長の発言から。
・・・フィルターバブルはSNSの本質的な問題だ。とりわけフェイスブック(FB)は、次から次へと表示される情報に利用者の関心を長時間引きつけるようにできている。米国では、FBの1日の平均利用時間は50分に上る。睡眠、食事の時間を除く生活の大きな部分をFBが占めている。
FBなどはさらに、似た考えの者同士を引き合わせることで人を一定の方向に過激化させる傾向がある。それがトランプ大統領を誕生させ、イスラム過激派組織「イスラム国」も勧誘にSNSを効果的に使っている・・・

指摘の通りです。スマートフォンには、しきりにそれを見たくなる、また画面から離れられなくなり長時間費やすという、「中毒」があります。横に置いておくと、仕事にしろ勉強にしろ、注意が集中できなくなります。
さらに、この記事が指摘しているように、思考と思想が限定されるのです。幅広い見方や異なる意見を、知らず知らずのうちに排除してしまいます。SNSは人とつながるための道具なのですが、逆に狭い世界に閉じこもり、広い人とのつながりを拒否してしまいます。逆説的なできごとです。これは、困ったことです。原文をお読みください。

新著の反応4

2017年3月4日   岡本全勝

新著の反応の続きです。
・職場に、背広の胸ポケットにペンを刺す同僚がいるので、「ここを読んだら」と本を渡しました。
・10代の子供に「服装をきちんとしろ」と叱っても、「お父さん、人は外見で判断してはいけないんでしょ」と口答えされて、困っていました。この本を読んでなるほどと思い、「人を外見で判断してはいけないけど、あんたは外見で判断されているんだ」と教えました。
・私の会社(一流企業です)にも、スリッパの職員がいます。困ったものです。特に「ク・・・ス」(商品名)は、やめて欲しいです。本でも名指ししてくれれば良かったのに。
・4月から、新採職員が職場に配属され、私が指導することになりました。本を読みながら、「そうだわ・・・」と勉強しています。
・私の職場を見ても、みんながみんな明るくはないですよ。中年の管理職で、今さら変わらないだろうと思う上司がいます。「この本を読んでください」とも、言えません。
→そうですね。人間の性格は簡単には変わりませんね。でも、少し心がければ、変えることもできます。明るくなれなくても、挨拶とお礼はして欲しいですね。
・たくさん買って、部下に配りました。
→ありがとうございます。