年別アーカイブ:2017年

年をとると涙もろくなる

2017年3月28日   岡本全勝

3月23日の日経新聞夕刊「読み解き現代消費」は、「キレる高齢者」でした。
年をとると涙もろくなる、と言いますよね。私は若いときから、涙が出る方です。悲しい場面だけでなく、普通に話しているときも涙が出るので、ハンカチを欠かせません。年をとると、なおさらです。なので、悲しいドラマは見ません。この記事を読むと、そんなロマンチックな話ではないようです。

・・・高齢者だけでなく、50代からも似た話が出るのは意外に思えるが、年を取ると涙もろくなるのは、感情移入しやすくなったのでも、感受性が豊かになったのでもない。大脳の中枢の機能低下が真の理由だ。
「背外側前頭前野」と呼ばれる部位が脳全体の司令塔となり、記憶や学習、行動や感情を制御している。涙もろくなったのは、この部位が担っている感情の抑制機能が低下したからだ。
最近は「キレる高齢者」も目立つ。携帯電話店で若い店員に突然怒鳴り始めたり、駅や病院で暴言を吐いて乱暴に振る舞ったりする高齢者を時々見かける。2016年版『犯罪白書』によれば、20年前と比べて高齢者の「暴行」は49倍に増加している。
こうした「暴走老人」の増加も、背外側前頭前野の機能低下により、感情を抑制できない高齢者が増えたためだ。この部位の中核機能の一つに「作動記憶」がある。これは短時間に情報を保持し、処理する能力で、その容量は加齢とともに減少する。これが感情の抑制機能を低下させるのだ・・・

涙もろくなるのなら良いですが、暴行など、感情を抑えられないのは困ります。本文をお読みください。

3月末ですが真冬です

2017年3月27日   岡本全勝

昨日も今朝も、東京は寒い雨でした。
朝、福島に向かう東北新幹線の中。いつもなら荒川を越えるときに見える富士山も、今日は無理です。せっせと、資料整理にいそしみました。気がつくと、那須高原あたりで、窓の外は真っ白な雪景色です。福島県内に入ると、一面の銀世界でした。
福島駅は雪が降り、積もっていました。気温は0度。真冬のような一日でした。

お昼のニュースで、4月1日からの帰還に備えて準備している、福島県富岡町の役場の様子が報道されていました。職員を激励している町長の後ろの窓には、激しく雪が降っている様子が映っていました。富岡町は、福島県浜通の太平洋岸で、雪は滅多に降らないと聞いていたのですが。

皆さんのお住まいのところでは、どうでしたか。「桜の花が長持ちする」と言われますが、これでは、お花見どころではありませんね。

青春期の仕事と、老年期の仕事

2017年3月27日   岡本全勝

三谷太一郎著『日本の近代とは何であったか』(2017年、岩波新書)のあとがきに、次のような文章が書かれています。
・・・私はこれまで、いつのころから、学問人生の中の「青春期の学問」に対する「老年期の学問」の意味を考えてきました。多くの場合、学問の成果(特に目立つ学問の成果)は、「青春期の学問」の成果であり、「老年期の学問」の成果と目すべき実例は、ほとんど念頭に浮かんできませんでした・・・
・・・「老年期の学問」は、所詮「青春期の学問」の可能性の範囲を超えるものではない。それぞれの「青春期の学問」が持っていた可能性を限界にまで追求することによってしか、「老年期の学問」は成り立たない。結局「青春期の学問」のあり方が「老年期の学問」のあり方を決定する。それが私の結論です。・・・
・・・ただ「老年期の学問」は、どちらかといえば、特殊なテーマに焦点を絞る各論的なレベルの発展よりも、より一般的なテーマに傾斜した総論的なレベルの発展に力点を置くべきではないかと考えます・・・

詳しくは、本を読んでいただくとして。納得します。
春から慶應大学に教えに行きますが、行くことが決まってから、どのように授業を構成するかを考えてきました。かつて東大の大学院や慶應大学で教えていたときは、当時の私の問題意識と周りにある実務の実例やデータを教えることに重点を置きました。しかし、この歳になって、またいろいろなことを経験して、それとは違うことを教えるべきだと思うようになりました。
もちろん大学の授業ですから、知っておかなければならない事項を、教えなければなりません。でも、それは、市販されている教科書に書かれています。私が「付加価値」をつけるとするなら、これまでの経験を生かして、現場の実態を教えるとともに、地方自治を通じて「社会の見方」をお教えすることでしょう。
いま、そのような観点から、講義ノートを作成中です。

中間管理職の重要性

2017年3月27日   岡本全勝

日経新聞「やさしい経済学」、守島基博・一橋大学教授の「毀損した日本企業の組織力」(3月22日の記事)の続きです。3月24日の「要の中間管理職に余裕なし」から。
・・・例えば、日本能率協会が2012年に行った調査によると、対象となった323社のうち89%の企業が組織力向上対策に取り組んでいると答えています。具体的な対策としては、従業員満足度調査、理念・経営ビジョン・経営方針の浸透、部門間・部門内の関係性向上、リーダーシップの強化などとなっています。
ただ、同時に明らかになったのは、組織力強化に取り組んだ企業の多くが、その効果を実感できていないということです。上記の調査でも、対策に取り組んだ企業のうち実に82%が、具体的な成果が出ていないと答えています。全体では約73%を占めています・・・

・・・多くの企業の話を聞いていると、もう一つの要因が働いているように思われます。それは中間管理職(ミドルマネジャー)の役割の変化です。組織力は基本的に職場のあり方に依存します。そのため、こうした組織力を維持または向上していくためには、現場リーダーである中間管理職の役割が大きくなります。
ところが肝心のミドルマネジャーは、組織力の維持・向上に取り組む余裕がない状況に置かれているのです。多くの中間管理職がプレーイングマネジャーの役割を与えられ、産業能率大学の11年の調査では、プレーヤーとしての仕事の割合が業務の半分を超えている人の割合は約40%となっています。これでは組織力の維持・向上に割く余裕はあまりないでしょう。
要となるべき職場リーダー(中間管理職)が、組織力の維持・強化に注力できる環境の整備が必要です・・・

なるほど。原文をお読みください。

外国人の目で見る日本

2017年3月26日   岡本全勝

3月20日の読売新聞文化欄「外国人の目で見る日本」から。
・・・外国人観光客をガイドする通訳案内士は、彼らが見せる意外な疑問や驚きに日常的に接している。業界団体の一つ、日本観光通訳協会の萩村昌代会長が明かしてくれた・・・
・・・修学旅行で行儀良く行動する中高生や、観光バスの運転手が乗客を駐車場で待つ間にタイヤのホイールを拭く姿などにも感銘を受ける外国人観光客がいた。「彼らは『日本人は客が見ていないところでも働くのか』と感激し、写真を撮っていた。私たちは、どこで見られているか分からないし、意外なものが観光資源になり得る証だ」・・・

このほかに、訪日外国人が驚き、感動する例として、次のようなものが挙げられています。
・小学生が1人で登下校している(危険ではないのか?)
・ハイテクなトイレ(買って帰りたい!)
・音をたてて麺を食べる(不快に感じる)
・富士山頂に雪がない(一年中白いはずでは?)
・アイスコーヒー(コーヒーは温かいものでは?)
・ごはん(白飯)に味がない(どうして食べられるの?)

街角の自動販売機が壊されないことも、びっくりだそうです。「お金が入っているのに、なぜ壊されないのか」と。東日本大震災の際も、「こんな時に、暴動と略奪が起きないのは、日本だけだ」とあきれられ、笑われました。日本は、それくらい成熟した社会です。