年別アーカイブ:2017年

職場の3大無駄

2017年9月19日   岡本全勝

連載「明るい公務員講座・中級編」で、職場の無駄を書いています。私の経験では、会議が第1位。これは、多くの方が感じておられるでしょう。

第2位は、資料の作り込み(手間をかけすぎ)です。これは、資料の内容を考えることに時間を費やすのではなく、体裁に時間をかけることです。
特にいけないのが、パワーポイントによる資料作成です。活字の大きさと字体や色彩を変えたり、矢印の多用したりなど、職員が技巧を発揮してくれます。でも、矢印は何の意味か分からず、色彩変えたり活字の字体を変えても、読む方は見にくいだけです。あなたの苦労は意味がなく、というより、はっきり言って無駄です。
パソコンが導入され、文書作成ソフト(一太郎、ワード)や資料作成ソフト(パワーポイント)を職員が使うようになって、便利になると同時に、無駄をすることが生まれたのです。社内文書にパワーポイントを使うことを禁止している会社もあります。

第3位は、パソコンです。電子メールとインターネットです。
まず電子メールです。いつでも相手の事情を考慮することなく送ることができます。とても便利です。しかしこれが、受け取る方にとって、邪魔なのです。
電子メールが届くと、ついつい内容を読んでしまいます。重要なものかしょーむないものかは、読んでみないとわからないのです。ところが、ばらばらと届くことで、している作業が中断されます。
ある報告では、集中している作業が電子メールで中断されると、もう一度復帰するのに15分かかるのだそうです。そこまでかからないとしても、確かに思考が中断されると、元に戻すには時間がかかります。
電子メールを確認していることは仕事をしていることなので、その無駄に気づきません。この防止策は、作業中はパソコンを閉じておくことです。心配だったら、1時間おきに電子メールを確認すればよいです。

もう一つのインターネットは、分かりますよね。気になったサイトを次々と見る、サーフィンです。週刊誌を広げることは気が引けますが、ネットサーフィンは仕事をしているかのように見えるので、案外無防備に見てしまいます。管理者も娯楽のサイトは閲覧できないようにしていますが、すべてを制限することは難しいです。
キーボードを触らず、マウスだけを使っていたら、それはまずサイト閲覧で遊んでいると思ってよいでしょう。
あなたがどのようなサイトを見ているかは、機械的にすべて記録されています。自治体でも、職員に注意喚起し、さらにひどい場合は懲戒処分をしています。気をつけてください。
こう考えると、パソコンが、職場の無駄の第1位かもしれません

原発事故被災地、復興拠点整備へ

2017年9月18日   岡本全勝

原発事故で避難指示が出された地域のうち、帰還困難区域以外は、この春にほとんど避難指示が解除されました。多くの町では町の中心部を含め、かなりの面積が居住可能になりました。これらの地域では、順次住民の帰還が進んでいます。
しかし、いくつかの町村では帰還困難区域が残り、特に双葉町と大熊町では、まだ全町で避難指示が出ています。

この2町に、帰還に向けて復興の拠点を作ることが、次の課題でした。町全体をあるいは広い面積を解除するのは、放射線量が高く困難です。そこで、線量の低い地域で住民が戻るであろう地域から、除染と復興を進めようという考えです。
まず、双葉町について計画が認定されました。大熊町でも、検討が進んでいます。また、浪江町などこのほかの町村も、かなりの面積が解除されたのですが、まだ帰還困難区域が残っています。これらについても、検討を進めています。

この帰還困難区域は、事故直後には、将来帰還が難しいと判断し、全損賠償(全財産を買い上げると同額の賠償金)を支払い、故郷損失賠償(ふるさとを失う精神的賠償)も行った地域です。6年の時間の経過で、一部とはいえ帰還に向けて作業が始まるとは、当時は考えもできませんでした。

日本財政学会で報告

2017年9月17日   岡本全勝

今日は、日本財政学会で報告するために、立教大学(池袋)に行ってきました。私の出番は、分科会Cー3「東日本大震災復興の現段階」です。このようなテーマを取り上げてくださることは、ありがたいことです。

今回の災害では、町を造り替える(高台移転やかさ上げ)必要があったこと。そのために住民の話し合いが必要であったこと。またインフラの復旧だけでは暮らしは戻らず、産業やコミュニティの再建が必要だったこと、をお話ししました。
財政学会ですが、予算だけでは実現できないことに焦点を当てて、お話ししました。皆さん、その点については納得いただいているようです。課題は、ではどのような手法で実現するかです。被災地では、その試行錯誤をしているのです。

旧知の先生方や記者さんと、挨拶を交わしてきました。

秋学期の準備

2017年9月16日   岡本全勝

9月22日から、慶應大学での講義が始まります。秋学期は、地方自治論Ⅱ(金曜1限)です。春学期は週に2駒でしたから、少しは楽になります。ぼちぼちと準備を始めていたのですが、いよいよ本格的に取り組んでいます。
シラバスは春に作ってあるので、講義ノート、レジュメ、配付資料を準備しています。2010年秋に、慶應大学で地方財政を講義したので、そのときの資料が役に立ちます。とはいえ、7年も前のことなので、骨格を利用しつつ、全面的に更新する必要があります。
前回は、片山善博教授が総務大臣に就任され、ピンチヒッターでした。この授業を終えたら、3月に東日本大震災が発生して、私はそちらに駆りだされました。

地方財政に関しては、たくさんの教科書が出ています。7年経つと、入れ替わっていますね。この間に出た新しいものとして、
神野直彦・小西砂千夫『日本の地方財政』(2014年、有斐閣)
持田信樹『地方財政論』(2013年、東京大学出版会)
があります。授業でも参考書として使います。
また、
林宏昭他「入門地方財政第3版」(2014年、中央経済社)は、第3版が出ています。
中井英雄他「新しい地方財政論」(2010年、有斐閣アルマ)も使えます。

総務省から、新しい資料をもらいました。また、相模原市役所にお願いして、各種の印刷物をもらいました。
理論と数字だけは、学生に実感してもらえないので、予算書の現物はどんなものか見てもらいます。また、自治体の財政(予算)が、住民の暮らしとどのように関わっているかを知ってもらうためです。教科書だけを講義していたら、楽なんですがね。

近々ある講演(3つ)の準備を終え、連載原稿をひとまず片付け、講義の準備に励んでいます。とはいえ、連載は次の締めきりが追いかけてきて、もう一つ締めきりが迫っている原稿もあります。人間、同時にはいくつものことはできないものです。

2017年秋学期・地方自治論Ⅱ

2017年9月16日   岡本全勝

2017年秋学期・地方自治論Ⅰ―役所の経営と地域の経営
(金曜日1限)。講義の記録

春学期(地方自治論Ⅰ)では、地方行政の仕組みを学びました。秋学期は、役所の経営(特に地方財政)と地域経営をお話しします。
地方自治体には、大きく分けて2つの仕事があります。
1つは、役所を運営し、行政サービスを提供することです。
もう1つは、地域の課題を解決することです。社会で生じているさまざまな課題、例えば子ども子育て支援、高齢者対策、産業振興など、住みよい地域をつくることです。
前者は役所という組織の経営であり、後者は地域の経営です。その仕組み特に地方財政と、地域の課題と取り組みを学びます。

(第1部 地方財政)
第1回 授業計画の説明
第2回 地方財政1―地方財政の概要
第3回 地方財政2―市のサービスと財政
第4回 地方財政3―税と収入
第5回 地方財政4―支出
第6回 地方財政5―地方交付税
第7回 地方財政6―地方公営企業
第8回 地方財政7―課題
(第2部 地域の経営)
第9回 地域経営1―地域の課題
第10回 地域経営2―地域振興
第11回 地域経営3―生活支援
第12回 地域経営4―被災地で町をつくる
第13回 地域経営5―地域の公
第14回 これからの地方行政
その他 総括とまとめ