年別アーカイブ:2017年

カタカナ英語をひけらかす人

2017年2月14日   岡本全勝

読売新聞連載「時代の証言者」は、松永真理さんです。携帯電話でインターネットを見ることが出来る「iモード」の開発者です。リクルートからNTTドコモに転職します。そこで直面した職場文化の違いを述べておられます。2月11日「まいった、言葉が通じない」から。
・・・まいったのは、「言葉」が通じないことです。私の知らない3種類の言葉が使われていました。「マッキンゼー語」「NTT語」「技術語」と、ひそかに名付けていました。
「マッキンゼー語」とは、当時、ドコモのコンサルタントをしていた企業の人が使っていた言葉です。
「今回のアジェンダは、オンデマンド型サービスをユーザーにどうアピールするかのストラテジーを考えること。アベーラブルな日程は・・・」
なぜ、英語の単語ばかりを並べ、日本語はつなぎとしてしか使わないのだろう。不思議でした。
逓信省をルーツに持つNTTの言葉も、私には理解できません。古びたお役所用語が生きていました・・・

この後は、原文をお読みください。役所でもいるんですよね、やたらとカタカナ英語を使って、エエカッコする人が。

復興庁5年、私のインタビュー

2017年2月13日   岡本全勝

河北新報の復興庁5年の連載に、登場しました。
2月11日は、「司令塔 評価と課題(中)変質」です。
・・・「自由主義経済の日本の哲学を変え、新たな災害復興の形を創った」
復興庁の岡本全勝前事務次官は2016年6月21日、退任の記者会見で強調した。
従来の概念を覆し、産業やコミュニティー再生にも国費を投入した東日本大震災からの復興。発生直後から政府の事務方を仕切り、先導したのが岡本氏だ。「霞が関の治外法権」と庁内外で呼ばれた。
現場嫌いと前例踏襲。官僚の習癖が非常事態の障壁になると感じた岡本氏は、被災地に職員の視察派遣を何度も繰り返した。
「仮設住宅の前では、きれい事だけでは通じない。何らかの答えを出さざるを得ないはずだ」。狙いは当たり、グループ化補助金など前例のない施策が省庁から提案される。岡本氏は首相や与党幹部と掛け合い、実現の道筋をつけた・・・

2月12日は「司令塔 評価と課題(下―1)前復興庁事務次官 岡本全勝氏に聞く」です。
・・・復興庁の5年間の取り組みをどう評価するか。
「全体的に及第点をもらえると思う。職員が何度も被災地を訪れ、被災者と首長の意見を聞き、信頼関係を築いた。インフラ再建に限定された従来の災害復旧から踏み込み、産業、コミュニティーの再生も担った」
「国が手を出さない分野や省庁間の隙間を埋めた新たな施策は、霞が関の司令塔、調整役として機能した証しではないか。グループ化補助金はコペルニクス的な発想転換であり、東京の大手企業と被災地の企業をつなぐ民間コンサルタントのような役割も果たした」・・・

・・・過疎化が進む中、巨費を投入しての高台移転に将来を懸念する声がある。
「離島から山奥まで道路、上下水道、学校を整備したのが、戦後の日本という国のかたち。憲法には書いていないが、上位概念にあると思う。どこに住んでも普通の暮らしをさせることが戦後の行政。東日本大震災の復興は、その延長線にある。費用対効果で測れない、国のかたちだ」・・・

詳しくは、原文をお読みください。

政治が支える経済の仕組み

2017年2月12日   岡本全勝

先日「アメリカ資本主義の行き着くところ」という記事(2月7日)で、ロバート・ライシュ著『最後の資本主義』(邦訳2016年、東洋経済新報社)を紹介しました。実は、この本を読んだのは、そのような「アメリカ式強欲資本主義」を知りたかったからではありません。資本主義、自由市場を支えているのは、政治によってであることを主張しているからです。

経済学では、市場経済における政府の役割は、次の3つと教えます。資源配分機能、所得再分配機能、経済安定化機能です。しかし、これは財政の役割であっても、政府の役割のすべてではありません。例えば、所有権が保障されること、会社に法人格を与え株主には無限の責任が及ばないこと、取引でもめ事が起きたら裁判で決着をつけること、契約が履行されないときは政府の力で強制されること、証券取引所で株が売買されることなど。日常の経済活動が成り立つように、政府が法律をつくり、紛争処理や執行を行わないと、自由市場、自由主義経済は成り立たないのです。決して「自由」な経済ではありません。政府が整えた仕組み、関係者が守る制度や慣習の上で、自由に振る舞うということです。

この本では、資本主義が成り立つ要素を、詳しく分析しています。ライシュ教授によれば、次の5つです。
所有権、所有できるものは何か
独占、どの程度の市場支配力が許容されるか
契約、売買可能なのは何で、それはどんな条件か
破産、買い手が代金を支払えないときはどうなるのか
執行、これらのルールを欺くことがないようにするにはどうするか
そして、現在のアメリカの経営者たちは、このルールの抜け道を使って巨万の富を得ているというのが、教授の主張です。そして教授は、これまでは市場に対して政府の大きさが問題になっていたが、大きさではなくルールの作り方が問題だと主張します。
納得しました。まだまだ、紹介したいことはあるのですが、ご関心ある方は本をお読みください。翻訳もこなれていて、読みやすいです。

社会をよくするために、政治と行政は何をしなければならないか。それが私の研究テーマです。「政府の役割」と言って良いでしょう。その際に、市場と国家の関係は大きな課題の一つです。
行政の分類」で「国家の役割と機能の分類」を試みました(連載「行政構造改革」2008年9月号に載せました。私のホームページでは、表は読めなくなっています。うまく移植できなかったのでしょうね)。整理して、大学の授業で解説しようと考えています。

著作一覧

2017年2月12日   岡本全勝

著作一覧(工事中、リンクが張れていません)。「主な著作
このページの左欄(黒い部分)のカテゴリー「著作と講演」さらに「著作」を開いてください。小目次があります。

1 地方行財政(これはすべて古くなっています。歴史遺産)
→詳しくは著作の解説1 地方行財政のページへ。
(1)地方財政
(単行本)
「地方財政改革論議-地方交付税の将来像」2002年、出版社ぎょうせい
「地方交付税・仕組みと機能-地域格差の是正と個性差の支援」1995年、大蔵省印刷局

(論文など)
「平成15年度地方交付税法の改正と最近の議論について」月刊『地方財政』2003年4月号
「地方税財源充実強化の選択肢」月刊『地方財政』2001年4月号
「第11回地方財政学会の基調講演と概要」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2003年9月号
「近年の地方交付税の変化」月刊『地方財政』2004年1月号
「進む三位一体改革-評価と課題」月刊『地方財務』2004年8月号、9月号
「続・進む三位一体改革」同2005年6月号、2006年7月号
「地方財政の将来」神野直彦編『三位一体改革と地方税財政-到達点と今後の課題』(2006年11月、学陽書房)所収
「三位一体改革の意義」と「今後の課題と展望」『三位一体の改革と将来像』(ぎょうせい、2007年5月)所収

(2)地方行政
「制度と運営と-ヨーロッパで地方自治を考える-」月刊『地方財政』(地方財務協会)2002年12月号。第28回欧州諸国地方行財政制度調査報告書」2003年1月、地方財務協会刊に所収。
「失われた10年と改革の10年-最近の地方行財政の成果」月刊『地方自治』(ぎょうせい)2001年5月号
「市町村合併をめぐる財政問題」月刊『自治研究』(第一法規)2003年11月号

2 日本の政治と行政
→詳しくは著作の解説2 日本の政治と行政のページへ。
(単行本など)
東日本大震災 復興が日本を変える」2016年、ぎょうせい
新地方自治入門-行政の現在と未来」2003年10月、時事通信社
省庁改革の現場から-なぜ再編は進んだか」2001年、ぎょうせい
『Public Administration in Japan』(2024年、Palgrave Macmillan)の「第19章 Crisis Management」を執筆(英文)

(論文など)
「予算編成の変容」月刊『地方財務』2003年12月号
「豊かな社会の地方行政-工業化社会からポストモダンへ」月刊『地方自治』2002年5月号
「中央省庁改革における審議会の整理」月刊『自治研究』(良書普及会)2001年2月号、7月号
「地方自治50年 私たちの得たもの忘れてきたもの」1997年、富山県職員研修所

「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年8月号
連載「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年9月号から
「社会のリスクの変質と行政の変化」日本大学法学部紀要『政経研究』第47巻第1号(2010年6月)
行政改革の現在位置~その進化と課題」年報『公共政策学』第5号(2011年3月、北海道大学公共政策大学院)
連載「社会のリスクの変化と行政の役割」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2010年10月号から2011年4月号

「地震・原発災害からの復興と地方自治」日本地方財政学会編『地方分権の10年と沖縄、震災復興』(2012年、勁草書房。地方財政学会年報)
「被災地から見える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」共同通信社のサイト「47ニュース、ふるさと発信」2012年8月31日
「東日本大震災からの復興―試される政府の能力」日本行政学会年報『東日本大震災における行政の役割』(年報行政研究48、2013年5月、ぎょうせい)
日本地方財政学会編『原子力災害と地方自治体の財政運営(日本地方財政学会研究叢書)』(2015年、勁草書房)
「復興の現状と課題―未曾有の事態へどのように対応してきたのか」『地方財務』(ぎょうせい)2015年4月号

3 行政管理
→詳しくは著作の解説3 行政管理のページへ。
(単行本)
明るい公務員講座 管理職のオキテ」2019年、時事通信社
明るい公務員講座 仕事の達人編」2018年、時事通信社
明るい公務員講座」2017年、時事通信社
「明るい係長講座 初級編・中級編」1996年、富山県職員研修所

(論文など)
連載「明るい公務員講座」専門誌『地方行政』(時事通信社)2015年11月~
「デルクイ発刊趣意」『デルクイ』創刊準備号、1996年
「富山県庁の挑戦-私の行政改革論」1998年、富山県職員研修所
「不思議な公務員の世界ーガラパゴスゾウガメは生き残れるか」『地方自治』2008年5月号(ぎょうせい)
「安心国家での地方公務員の役割」月刊『地方公務員月報』2011年4月号(総務省自治行政局公務員課)。詳しくは「明るい係長講座2」へ。(2011年5月7日)

4 随筆など
日経新聞夕刊1面コラム「あすへの話題」連載(2018年1月~6月)

その他の雑誌への寄稿や講演録は、著作一覧2へ
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