11月27日の日経新聞オピニオン欄で、滝田 洋一・編集委員が「行政こそ生産性革命を 手続き簡素に 経済後押し」を書いておられます。
詳しくは本文を読んでいただくとして、載っている表がわかりやすいです。
会社設立手続きについて、外国と日本を比べておられます。シンガポールでは原則オンラインで15分、韓国もオンラインで最長5日です。日本はほぼ紙の書類で1~2週間かかるそうです。また、日本の電子申請は、関係省庁がまたがります。
月別アーカイブ: 2017年11月
官僚主導から政治主導へ、この20年。
11月23日の日経新聞オピニオン欄、藤井 彰夫・ 上級論説委員の「日本経済になお97年の傷痕」から。
・・・すでに株式バブルが崩壊してから7年がたっていたが、バブル崩壊が日本経済にもたらした傷痕の大きさを国民全員が目の当たりにしたのは、1997年の晩秋だろう・・・
・・・金融機関と監督当局のなれあいにも批判が強まり、翌98年に接待汚職事件で大蔵省・日銀から逮捕者が出る。蔵相と日銀総裁は引責辞任。財政と金融監督は完全に分離され98年に金融監督庁(現金融庁)が誕生した・・・
・・・大蔵省の護送船団方式の金融行政と財政再建至上主義への不信。97年の金融危機は大蔵支配という言葉に象徴される霞が関の官僚主導の秩序を揺るがし、その後の政治主導の流れを決定的なものにした。
官邸主導のはしりとなった小泉純一郎政権、民主党への政権交代、そして安倍晋三政権へと続く政治主導の政策運営に向かう原点は、97年秋の危機だったのではないか・・・
・・・97年危機は「大蔵省にまかせておけば安心」という時代の終わりを告げた。「それでは誰にまかせればいいのか」。20年たった今、この問いへの答えはまだ出ていない・・・
若い人は、この20年間の出来事を知らないと思います。また、習っていないでしょう。
この記事は、大手金融機関の破綻から20年を取り上げたものですが、そのうち、官僚主導から政治主導への変化に関するところだけ引用しました。原文をお読みください。
近年の少年非行
朝日新聞オピニオン欄11月15日、家庭裁判所調査官・伊藤由紀夫さんのインタビュー「非行少年だけが悪い?」から。
・・・非行少年はうまくいかないことやおもしろくないことがあると、投げやりになって窃盗や無免許運転など行動化します。悪いことだとわかっていても抑えられない。そういう未熟さは今も昔も変わりません。
共働きが普通になり、家族もそれぞれが孤立して、学校にも居場所がなくなっています。昔は反社会的・不良顕示型の少年が多かったですが、最近は非社会的・対人関係回避型が増え、不登校や引きこもり、自殺念慮が目立ちます。「一昨日から何も食べていない」という子どもによく会います。昼夜逆転の生活で親と顔を合わせず、家の冷蔵庫に何もない状態です。小学校高学年から大人と一緒に食事をしたことがない子どもも珍しくありません・・・
・・・自分の部屋でゲームやラインをして親子が面と向かって会話する時間が減っているのでしょう。少年と話すと、「大人にこんなに話を聞いてもらったことはない」と漏らす子も少なくない。早い段階で話を聞いてあげれば、少年たちは変わっていきます。非行を起こした少年が何にはまって、どういう考え方を作り出してしまったのかに社会はもっと目を向けるべきです。大人が子どもを放置しすぎていないでしょうか。
一方、少年院に入るような子は、就職や復学の手がかりが得にくくなりました。高校を中退しても、学習を支援するサポート校に入れば高卒認定資格を取りやすいですが、学費が高い。経済力がないと、学歴を取り戻すのは難しい。かつては型枠や塗装などの親方への弟子入りもありました。でも、いまは一人親方も非正規雇用で、少年を連れて歩くのは厳しいのが現状です・・・
連載を振り返って8
文章を練る
執筆に当たっては、わかりやすい読み物とすること。抽象論でなく、私の体験に基づいた、実例を入れた実践的なものとすることを、心がけました。
これも、難しいのです。具体事例はわかりやすいのですが、応用が利きません。抽象的すぎると、実用的でありません。その中間で書く必要があります。
堅苦しい説教だと、読んでもらえません。笑い話ばかりを書くわけにもいきません。毎回、書いては消しての、くり返しでした。
読み物とすると、ややもすれば冗長になります。それを避けるために、いったん書いた原稿を削ります。毎回の原稿は、活字になったときは、原文のおおむね3分の2になっています。せっかく書いた文章を泣く泣く削除するのですが、読んでみるとその方が読みやすいのです。
内容が独りよがりのものにならないように、原稿段階で、「右筆」に意見をもらい、手を入れてもらいました。この右筆は、ある省の幹部です。彼もいろいろな経験、それも私とは違った職場を経験しています。しばしば、私とは違った見方をする人です。文章の達人でもあります。
原稿に真っ赤に手を入れられたときもあります。でも、そこがよいのですよね。感謝しています。
さらに、校閲係が手を入れてくれました。毎回、朱が入ったゲラを見ると、「なるほど」と思うことばかりでした。
肝冷斎逃亡か
肝冷斎が、国外逃亡したようです。常々、仙人になって山奥か天に行きたいと言っていたのですが。まだ雲に乗るほど修行していないので、飛行機を使ったのですかね。