株式市場が表す「失われた26年」

11月15日の日経新聞オピニオン欄、梶原誠・コメンテーターの「「失われた26年」どう挽回」が良い分析をしています。
株式市場が、26年ぶりの高値を付けました。それだけを見ると良い話なのですが、期間を広げ、視野を広げて見ると、違ったものが見えてきます。日本は取り残されているのです。
・・・まさに「失われた26年」だ。日本経済がバブル崩壊の後始末やデフレで苦しんでいる間に、世界は先に行ってしまった。
世界の主要株価指数を26年前から見てみよう。米国は6倍、欧州もアジアも4倍を超える。各国は米リーマン危機、欧州債務危機、アジア通貨危機と、歴史的な危機を経験したが、それらも乗り越えてきた・・・
わかりやすいグラフがついています。もちろん、株価だけが経済を表すものではなく、暮らしやすさを表す物でもありません。

記事では、もう一つの指摘もされています。
・・・気がかりなのは、日本企業の強みである「社会との共生」という経営哲学ですら世界に先を越されそうなことだ・・・
・・・本来なら、世界の経営者が日本に学びに押し寄せるところだ。日本には近江商人が誇った「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の伝統がある。日本の資本主義の父である渋沢栄一の「論語とそろばん(倫理と利益の両立)」という経営哲学もある。
ところが実際は、なかなかそうならない。それは「そろばん」、つまり長期的な株価停滞が示すように、企業の稼ぎ方が見劣りしているからではないか。
「あなたは間違っている」。14年、東京での討論会の壇上で声を荒らげたのは米ハーバード・ビジネス・スクールの名物教授、マイケル・ポーター氏だ。同氏が11年に打ち出した、社会に報いることで稼ぐ経営理論、CSV(クリエーティング・シェアード・バリュー)について、邦銀の頭取経験者が「日本では目新しくない」と感想を述べた時だった。ポーター氏の目には、日本の経営者は社会との共存を語るだけで、それで稼いでいるとは映っていなかった・・・

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