連載を振り返って6

職員の延長に課長はない

ところで、中級編(課長編)は、初級編(職員編)の延長ではありません。よい職員の延長によい課長があるわけではないのです。これは、意外と認識されていません。

ビジネス書には、よい職員になるための心構えや技術が書かれています。しかし、それを実践するだけでは、よい課長になれないのです。
職員みんなが、よい職員になるわけではありません。職場には、出来の悪い職員も、困った職員もいます。課長は、そのような職員も相手にしなければなりません。それは、「よい職員になるための本」には、書かれていないのです。
「先輩談」もよい話ばかりで、都合の悪い話は出てきません。

不都合な事実に目を背け、きれい事だけで、課長が務まるわけではありません。そこで、2:6:2の法則を書きました。また、出来の悪い職員の評価や指導についても書きました。

さらに、生産性の低さと、その改善策を述べました。
日本の労働者の生産性が先進国の中で低いことは、しばしば報道されています。残業時間が長く、休暇も取らず、労働時間が長いことも。
公務員の職場も、例外ではありません。それどころが、他の職場に比べても、生産性は低い方でしょう。とにかく、無駄が多いのです。頻繁な会議、しかもそこでは決まりません。部下に任せっきりの上司。どうしてよいかわからずに悩む部下・・・。
多くの管理職が、責任を果たしていないのです。これについても、厳しいことを書きました。しかし、私が新事実を書いたのではなく、多くの関係者が分かっていながら放置していることでしょう。