先日行ってきた、復興状況視察(岩手県)報告の続きです。まずは、商業施設について。
陸前高田市では、新しい町の中心となる核に、「アバッセたかた」という商業施設ができています。まだ周囲は土地のかさ上げ工事中ですが、いずれ近くにBRTの駅もできます。専門店や大型スーパーのほかに、図書館も併設されています。図書館は本屋と隣接しています。大きな本屋です。
地方では、町の本屋さんがなくなりつつあります。図書館とともに本屋は、町の文化のインフラですよね。八戸市は公営の本屋を作っていますが、それくらいの支援が必要なのでしょう。
大船渡市では、BRTの駅前に、「キャッセン大船渡」という商業施設ができています。外観を統一した建物に、仮設から商店が移ってきています。ここも、予測以上にお客さんが利用しているとのことです。
ここは株式会社が施設を作り、管理しています。民間の専門家の知恵と意欲を借りて、町のにぎわいをつくろうという試みです。企業だけではできない、しかし役所が行うと非効率になる。それを乗り越える工夫です。
この地区の隣には、既に大型スーパーが開店しています。たくさんの買い物客の車が止まっていました。工事中のお店もありますが、これで大船渡駅前の整備はほぼ完了です。残っていうのは、仮設店舗が引き払った駅裏をきれいにすることと、建設中の防潮堤を完成させることです。
釜石市では、東部地区(町の中心)に大型スーパー、共同店舗、市民ホールなどを集めて、にぎわいの核を作っています。これらもほぼ完成です。
山田町の駅前も、スーパーの周囲にお店ができていました。駅は再開に向けて工事が進んでいます。ホテルもできました。
宮古市では魚市場が拡張されました。ところが、去年今年と、サンマが捕れないのです。去年の3分の1以下だそうです。
田老地区では、道の駅がほぼできました。災害遺構になった「田老観光ホテル」などを見学する、被災地ガイドの拠点にもなっています。当日も、たくさんの予約が入っていました。これは、なかなか考えた仕組みですね。岩泉町小本地区では、魚を利用する施設「浜の駅おもと愛土館」ができています。
商店街ができると、にぎわいが目に見えます。これらの町では、住民の帰還意思も増えて、住宅建設も進んでいます。もちろん、住民は災害前より減っていて、厳しい環境にあります。