「フラリーマン」って、ご存じですか。NHKが解説しています。仕事が終わっても、まっすぐ家に帰らない会社員です。「“フラリーマン” まっすぐ帰らない男たち」。詳しくは、原文をお読みください。
長時間労働は、個人と職場だけでなく、家庭、地域、日本社会に染みついた意識であり仕組みです。これを変えるには、巨額の公共投資は必要ありませんが、一種の革命が必要です。時間がかかるでしょう。
でも、クールビズも、あっという間に定着しました。人間の意識、習慣とは、そんなものです。
月別アーカイブ: 2017年9月
長期の景気拡大期、その実相
日本の景気は2012年12月以降、拡大局面が続いています。もう4年半を超えています。しかし、今ひとつ景気が良くなっている実感がわかないようです。
日経新聞経済教室9月19日は、小峰隆夫・大正大学教授が「堅調景気の実相 アベノミクス効果限定的」で、わかりやすい解説をしておられます。これまでの3回の景気拡大期を比較したグラフも、わかりやすいです。詳しくは、原文をお読みいただくとして。
・・・日本の景気は2012年12月以降、拡大局面が続いている。期間は既にバブル期(1986年12月~91年2月までの51カ月)を上回る。今年9月時点でも景気の基調は変わっていないので、景気拡大期間はいざなぎ景気(65年11月~70年7月までの57カ月)を上回り、戦後2番目に長くなっている(最長は02年2月~08年2月までの73カ月)。
政府はアベノミクスの成果として強調したいようだが、話はそれほど簡単ではない。本稿では、今回の長期景気拡大を巡り多くの人が抱く疑問について考える。すなわち(1)長期景気拡大にアベノミクスはどの程度寄与しているのか(2)景気拡大が長い割には実感が得られないのはなぜか(3)この長期拡大はいつまで続くのか――という3つの疑問だ・・・
・・・まず現在進行中の長期景気拡大を一本調子の景気拡大としてとらえるのではなく、3つの期間に分けて考えたほうがいい。12年12月から14年3月までの順調な拡大期(第1期)、14年4月から16年夏ごろまでの足踏みの時期(第2期)、16年夏以降現在に至る景気の再浮揚期(第3期)だ・・・
・・・ 第1に政策との関係では、第1期についてはアベノミクスによる異次元金融緩和、財政出動が景気を好転させた。だが第2期にはその効果は次第に薄れていった。そして第3期の景気拡大は輸出主導型であり、海外経済の安定化に助けられたものだったから、これをアベノミクスの成果と言うのには無理がある。
第2に景気拡大期間が長い割にはその実感が得られない一つの有力な背景は、第2期の準景気後退局面を含んでいるため、経済活動のレベルがそれほど高まっていないことにある。今回のCI上昇幅はバブル期や02年からの景気拡大期の半分から3分の1にすぎない・・・
NHKでは、「回復を実感できない」という声に対して、中間層の年収から分析しています。「いざなぎ超え データで探る中間層の実像」。
子どもの放射線被ばくの影響、科学界の結論
9月21日の毎日新聞に、坂村健・東洋大学学部長が、日本学術会議の報告書「子どもの放射線被ばくの影響と今後の課題」について書いておられます。「被ばく影響 科学界の結論」。本文を読んでいただくとして、ここでは一部を紹介します。
・・・報告書が対象としている東京電力福島第1原発事故については、既に多くの論文や調査結果などが蓄積されている。国連科学委員会の報告でも、放射能由来の公衆の健康リスクについて「今後もがんが自然発生率と識別可能なレベルで増加することは考えられない」と結論が出ている。
学術会議の報告でも、被ばく量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに小さいという評価が改めて示されているが、特に不安の多い子どもへの影響に焦点を絞っている点が重要だ。「福島第1原発事故による胎児への影響はない」としており「上記のような実証的結果を得て、科学的には決着がついたと認識されている」とまで書いている。
報告書を読むと、不安論者のよりどころとなる内部被ばくから、福島での甲状腺がん検査の評価まで、考えられそうなポイントはすべて丁寧に押さえている・・・
・・・その意味で、この報告書はいわば、事故後6年たっての科学界からの「結論」。これを覆すつもりなら、同量のデータと検討の努力を積み重ねた反論が必要だ。一部の専門家といわれる人に、いまだに「フクシマ」などという差別的な表記とともに、単に感覚にすぎない「理論」で不安をあおる人がいるが、そういう説はもはや単なる「デマ」として切って捨てるべき段階に来ている。
マスコミにも課題がある。不安をあおる言説を、両論併記の片方に置くような論評がいまだにあるが、データの足りなかった初期段階ならいざ知らず、今それをするのは、健康問題を語るときに「呪術」と「医術」を両論併記するようなもの、と思ったほうがいい・・・
愛知県みよし市管理職研修
今日は、愛知県みよし市役所に呼ばれて、講演に行ってきました。市の管理職研修です。「明るい公務員講座+働き方改革について話せ」とのことだったので、焦点が絞りやすかったです。
働き方改革は、いま連載で書いているところですが、管理職の意識改革なしには進みません。そして、彼らは従来の仕事の仕方で育ってきています。どこがおかしいか、気がついていないのです。あるいは、気がついていても、これまで通りが楽なので、なかなか変えることができません。その代表が、会議でしょう。無駄と分かっていながら、続けていませんか。
今日は、人事課長さんの依頼に沿って、管理職になるには脱皮が必要なこと(鬼軍曹は良い課長になれないこと)や、仕事を進める際の部下指導の仕方などを中心にお話ししてきました。もちろん、私の経験談をたくさん交えてです。忙しい総理大臣が出席する会議を、どのように管理するかなども。
みよし市は、東日本大震災の被災自治体に、職員を派遣し続けてくださっています。そのお礼も申し上げました。
よい季節になりました。
9月も下旬になりました。30度を越えていた気温も下がり、朝晩は20度前後と寒くなりました。「暑さ寒さも彼岸まで」とは、よく言ったものです。仕事も勉強も、はかどる季節ですね。
私は先週は(月曜日は休日)、火曜日は福島勤務、水曜日は大阪で講演。木曜・金曜に霞が関に出勤すると、報告や面会が続き、国会議員からのお呼びも。金曜から、大学での授業も始まりました。いささか疲れました。時間が経つのが早くて困ります。いつも同じことを言っています(苦笑)。
その間に、9月末締めきりの原稿を、ほぼ完成させました。後輩がほとんど書いてくれて、私は導入部だけなのですが。
連載はもうしばらくで、中級編を完結させる予定です。しかし、なかなか時間がとれません。土曜・日曜と、孫のお相手と、原稿書きにいそしんでいます。なんとか、第39号分を書き上げました。これから、右筆に手を入れてもらいます。
肝冷斎は、せっせとプロ野球観戦に出かけているようです。