官民ファンドの成果と評価

8月6日の日経新聞が、「国のリスクマネー試練」という表題で、官民ファンドを取り上げていました。
官民ファンドは、国と民間が特定の目的のために資金を出し合って、融資を行う仕組みです。地域産業振興や、苦境の産業へのてこ入れ、ベンチャー企業育成などがあるようです。
この記事では、産業革新機構によるベンチャー投資が、扱った案件のうち8割で損失を出しているとのことです。もっとも、確実にもうけが出るなら、銀行などが融資するでしょうから、官民ファンドの出番はないでしょう。何をもって、成功・失敗と見るのか。難しいところです。
とはいえ、国の予算(税金でなく投融資)ですから、国民への説明責任はあります。設立時に、一定の指標を設定しておくのが、よいのでしょうか。

また、関連記事「官民14ファンド乱立 予算消化優先、収益二の次」で、官民ファンドが14あることが紹介されています。これだけも設立されているのですね。
政府にも、「官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議」があります。

政治と行政では、「何をする」と表明することも重要ですが、「その結果どれだけの成果が出た」ということも重要です。そしてそれを検証することも。「爬虫類行政」と「ほ乳類行政」の違いです。

充実した休日

東京は暑い日が続いています。台風が近づいていることもあり、各地で猛烈な暑さになっているようです。気をつけてください。

昨日土曜日は、連載「明るい公務員講座・中級編」の「仕事の無駄・資料作り」を書き上げ、編集部に送りました。ふだんの経験で「おかしい」と思っていることを書いたら、けっこうな分量になりました。原稿を、右筆に見てもらい、私の考えがおかしくないことを確認するとともに、有意義な指摘をもらって、加筆しました。
これが記事になるのは、9月の予定です。かなり、余裕ができました。えっへん。
その後は、キョーコさんと上野の美術館へ。大学の授業が夏休みに入ったので、少し楽をしています。
今日日曜日は、7時過ぎの新幹線で、福島へ。国と地方の協議会に出てきました。
帰宅したら、家の温度計は32度でした。水のシャワーを浴びて、このホームページを加筆しています。

原子力災害からの福島復興再生協議会

今日は、福島市で、県と国との協議会(原子力災害からの福島復興再生協議会)でした。原発事故からの復旧について、国と県とが意見を交換する公式の場です。最近は、年に2回ほど開いています。国からは、復興大臣、経産大臣、環境大臣ほかが出席しました。現地で開くことに、意義があります。

今年の春には、帰還困難区域を除いて、ほとんどの地区で避難指示が解除されました。そこで、次のようなことが課題になっています。
・残る帰還困難区域で、早期解除を目指す「復興拠点」を進めること
・避難指示が解除された市町村で、住民が帰還できるように条件を整えること
・産業振興を進めること
・いまだに続く風評被害をなくすこと

今日の意見交換でも、これらの課題について、意見が出ました。地元と一緒になって、着実に進めていきます。
今日使った資料は、公開します。追って、復興庁のホームページに載ります。

海水浴に行かない

海水浴に行く人が減っているのだそうです。8月5日付け朝日新聞「いちからわかる」によると、1985年頃には3500万人だったのが、昨年2016年では730万人。5分の1です。
何割減と言ったものではなく、激減です。これは驚きですね。若者が行かないのだそうです。

復興、中国の研究者への説明

今日は、中国、北京大学の劉軍准教授のインタビューを受けました。劉准教授は、昨年から国際交流基金の研究員として来日し、慶應義塾大学法学部の客員准教授になっておられます。よく考えたら、慶應大学法学部の私の「同僚」なんですね。
今日のテーマは、東日本大震災からの復興です。一般的な現状などは、復興庁職員に対応してもらい、私は、劉准教授の関心であるNPOの役割、国・県・市町村の役割分担、民主主義と復興について質問に答えました。

大災害でも、暴動や略奪が起きない日本社会の強さを説明する際に、それが起きる諸外国との対比とともに、日本でもそれが起きた関東大震災との違いも説明しました。
住民に新しい町づくりを考えてもらうこと、それには1年かかること。国が決めれば早いけれど、住民の満足は得られないこと。
また、住民や国民は、世論調査では政府や役所に批判的な回答をするけど、復興などについてはかなり信頼してもらっていたので、仕事が進んだことなどもお話ししました。
外国の方に説明するために、どのように話したら伝わるか、その国とは何が違うかを考えると、特徴がよくわかります。私自身の勉強になります。