5月26日の日経新聞が、「「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査」を載せていました。
・・・世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。
企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した・・・
連載「明るい公務員講座・中級編」第20回「意欲を持たせる指導」で、日本の会社員のうち仕事熱心な割合は7%であることを紹介しました。同じ調査の最新版のようです。6%か7%かは、誤差の範囲でしょう。無気力社員が24%という数字は、前回と変わっていません。全体として、変化はないようです。
回答者が、どの程度「本心」を答えているかは分かりません。しかし、仕事熱心な社員が、「私は熱意はないんです」と韜晦することは少ないでしょう。あるいは、上司が、部下を厳しめに評価しているのでしょうか。いずれにしても、良い数字ではありませんし、日本人は働き者だという「通説」を覆すものです。
ギャラップのジム・クリフトン会長のインタビューが参考になります。
「日本ではなぜこれほど「熱意あふれる社員」の割合が低いのですか」という問いに。
・・・日本は1960~80年代に非常によい経営をしていた。コマンド&コントロール(指令と管理)という手法で他の国もこれを模倣していた。問題は(1980~2000年ごろに生まれた)ミレニアル世代が求めていることが全く違うことだ。ミレニアル世代は自分の成長に非常に重きを置いている。
それ以上に問題なのは「不満をまき散らしている無気力な社員」の割合が24%と高いこと。彼らは社員として価値が低いだけでなく周りに悪影響を及ぼす。事故や製品の欠陥、顧客の喪失など会社にとって何か問題が起きる場合、多くはそういう人が関与している・・・
「どうすれば改善しますか」との問いに。
・・・主な原因は上司にある。上司の言ったことを、口答えせずに確実にやれば成功するというのが従来のやり方だった。このマインドセットを変えないといけない。上司と部下が一緒になってどう結果を出すか、部下をどうやって成長させていくかを考えることが上司の仕事になる。
それには部下の強みが何かを上司が理解することだ。これまでは弱みを改善することに集中するのが上司の仕事だったが、得意でないことが強みに変わることはない。無気力な社員の半数は自分に合っていない仕事に就いている。合った仕事に変えるだけで無気力な社員を半分に減らせる。
インタビューによると、アメリカでもこれに気づいてやり方を変えたのは、15年ほど前だそうです。原文をお読みください。