先日、高岡さんの新著『外交官が読み解くトランプ以後』を紹介しました(5月2日の記事)。いろいろと教えられることがあったのですが、ここでは宗教について取り上げます。
中東を議論する際に、イスラム教は外せません。そして、スンニ派とシーア派の2大宗派があることも有名です。サウジアラビアはスンニ派、イランはシーア派です。何度も聞いたり読んだりしたのですが、その違いを覚えられません。高岡さんの本で、すっきりしました(p177~)。
時代とともに変化する日常生活を律するために、コーランを解釈する必要がでてきます。その際に、スンニ派は、9世紀までに確立した4代法学派に固定し、その後の新たな解釈を禁止します。イスラム法学者の解釈を経て、人間生活の法的規範「シャリーア」に詳細化します。そして信者は、ひたすらシャリーアを守ることで、天国への道が約束されます。他方で、シーア派はコーランなどの字面にこだわるのは形式主義過ぎると考えます。霊感を受ける能力のある聖職者から、コーランの秘密の意味を教えてもらいます。
これを高岡さんは、プロテスタントとカトリックとの違いと比べます。プロテスタントは、聖書を通じて神と直接交わることができます。対するカトリックは、神と信者との間に、ローマ教会が介在します。
教典を尊重するのか、聖職者を介在させるのかの違いです。
ここでは、ごく簡単に紹介しましたが、原文をお読みください。