日本独自のもの、多い首相の議会解散

先日、日経新聞連載「日本の政治ここがフシギ」、第3回「議論深めぬ廃案戦術 「日程闘争」が常態化」を紹介しました(1月17日「日本独自の慣習、国会の会期」)。20日は、第5回「強すぎる?議会解散権  熟慮遮る選挙の影」でした。
・・・「解散風」。日本の政治ニュースではよくこんな言葉を目にする。最近では2009、12、14年と2~3年ごとに衆院解散があった。主要先進国をみると、ここまで頻繁に解散をする国は珍しい。世界では解散は時代遅れになりつつある・・・
・・・主要7カ国(G7)のうち、解散の制度があるのは米国を除く6カ国。過去60~70年でドイツは3回、フランスは5回しか解散していない。英国は11年、解散を任期満了か下院の可決時に限る法整備をした。安定政権で財政再建に取り組む目的だが、連立与党が「抜き打ち解散」封じを求めた面もある
・・・日本は47年の憲法施行後、解散は23回に上る。首相の主体的な判断で憲法7条に基づいて天皇の国事行為として解散する「7条解散」が定着し、回数は多い。解散権は首相の「伝家の宝刀」「専権事項」といわれ、いわゆる「大義」がなくてもいつでも国民に信を問える政治的な武器・・・
・・・「選挙が遠いなら、もっと政策に力を入れられるのに」。昨年暮れ。ある野党議員は地元で支援者との忘年会をハシゴして嘆いた。昨年は7月の衆参同日選、17年初めの解散が噂され、文字通り「常在戦場」だった・・・

政権の安定のためや、重要政策について民意を問うために、首相の議会解散を柔軟に認めるのか。議員が腰をすえて政策議論できるように、首相の解散権を制約するのか。
安定して政治を行う観点から、かつては首相がしばしば交代した日本の特性とともに、安定した国会議論や「政治における期間」というものをどう考えるかです。