『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第11回「交渉(2)庁内での交渉―合意の術」が発行されました。前回、庁内での交渉の論点整理をお話ししました。今回は、合意に持っていく術です。難しい交渉はなかなかまとまりません。当事者は大変悩みます。では、どうしたら合意できるか。
実は、後から考えると、意外と簡単なのです。役所の中の交渉で、交渉がまとまらなかったという事例は少ないです。また、「こんな結果なら、私は役所を辞めます」という事例もほぼありません。そう考えると、いつかは、どこかに落ち着くのです。そう言ってしまうと、身も蓋もありませんが。
もちろん課長であるあなたは、所管行政を進めるために、正しいと思うことを主張しなければなりません。しかし、当事者が熱くなっているほどには、対立は絶望的ではないのです。冷静になる、第三者あるいは両者の上司になってみる、結果を先取りして遡ってみると、どのような結論が良いか見えてきます。今回の内容は、次の通り。
なぜ合意できないのか、相手と応援団を納得させる、決め手のない場合の合意方法、課の利益より全体の利益、消極的所管争い、上司との関係、部下への配慮。