被災自治体での復興事業を進めるため、ほかの自治体からたくさんの職員が応援に入っています。地元の職員だけでは人数も足らず、技術も不足しています。このような「人の応援」も、本格的に行ったのは東日本大震災からです。支援している自治体も、決して職員に余裕があるわけではありません。その中を苦労して、派遣してくださっています。ありがとうございます。被災自治体では、自ら期間付き職員を採用して、不足分を補っています。この人たちなしでは、復興事業は進みません。「職員不足対策の概要」(古くてごめんなさい)。
岩手県が、その実情を知ってもらうビデオを作っています。約3分半です。また、応援職員を紹介するパンフレットもあります。ご覧ください。慣れない場所で、また難しい仕事を担ってもらっています。ありがとうございます。
月別アーカイブ: 2016年12月
つい昨日のことの検証
昨日に続き、新聞記事から。
12月5日の朝日新聞経済欄「証言そのとき」は、佐渡賢一・元検事の「不正に挑んだ45年」でした。リクルート事件を捜査立件した経験が、書かれています。リクルート事件は、バブル期に起きた、未公開株を譲渡することで、巨額の金を贈賄した事件です。それが明らかになり、政治家や官僚、大企業のトップが起訴された事件です。これまでにない経済犯罪に、どのように切り込んだか。生々しい証言です。
12月4日の日経新聞「日曜に考える。検証」は、「ダイエー60年、消える看板」でした。日本一の小売業だったダイエー、一時はデパートを追い抜いたスーパーマーケットの雄でした。それがなぜ破綻し、看板も消えたのか。その検証記事です。
高度成長期は、はるか昔になりましたが、バブル期も、四半世紀以上前のことになりました。私たちの年代にとっては、「つい昨日のこと」ですが、若者は知りません。学校でも本でも勉強していないことが、多いでしょう。私たちも、同時代のこととしてニュースで見ましたが、体系立てて全体像は知りません。このような検証記事は、勉強になります。新聞の大きな役割です。
社会の問題を発掘する調査報道
今朝12月5日の新聞朝刊1面は、良い記事が並んでいました。朝日新聞は、「認可外保育、監督に差」です。
・・・年1回の実施が定められている認可外保育施設への各自治体の立ち入り調査について、厚生労働省の資料などをもとに朝日新聞が2014年度の実施率をまとめたところ、東京都が13%で最も低かった。神奈川、愛知、兵庫の3県も50%未満だったが、施設数が3県より多い埼玉県は95%で、実施率にばらつきがある実態が浮かんだ・・・
保育施設での死亡事故の約7割が、認可外施設で起きています。国の基準を満たす認可保育所と異なり、届け出だけで開設できるため、立ち入り調査がほぼ唯一の「行政のチェック」になっている、とのことです。
読売新聞1面トップは、「介護殺人や心中179件。2013年以降高齢者夫婦間が4割」でした。
・・・ 高齢者介護を巡る家族間の殺人や心中などの事件が2013年以降、全国で少なくとも179件発生し、189人が死亡していたことが読売新聞の調査で明らかになった。ほぼ1週間に1件のペースで発生しており、70歳以上の夫婦間で事件が起きたケースが4割を占めた・・・
老老介護、特に男性が主な介護者になっている場合、加害者が男性のケースが目立つようです。
それぞれ、原文をお読みください。記者が、自らの調査で書いた記事です。官庁や企業側からの広報やリークと違い、このような記事を「調査報道」と呼びます。今日紹介した2つの記事は、記者が現場で足で稼いだ記事ではありませんが、官庁の資料を基に、あるいはそれを端緒にして、新聞社が調べて記事にしたものです。そして社会の大きな問題を、浮き彫りにしました。1面トップに来るだけの価値はあります。
これからのマスコミの役割はここにあると、私は考えています。新しい事実の報道なら、電波媒体やインターネットの方が早いのです。
さて、このように社会の問題を提起された場合、政治と行政はどのように対応するか。ボールは役所の側に投げられました。
進化するホームページ
お気づきと思いますが、表紙の青色(ティファニーブルー)の面積が狭くなりました。松島社長が、デザインも監修してくださっています。表紙左側に、「私の略歴等」のリンクもできました。右上の「お問い合わせ」も、見やすくなりました。
と書いたら、さらにかっこよくなりました。笛吹きおじさんの背景が、ティファニーブルーになり、隙間がなくなりました。社長、ありがとうございます。(2016年12月5日)
企業が作り売るおいしいお米
先日、宮城県亘理町を視察した際に、「舞台アグリイノベーション」の精米工場を見せてもらいました。田んぼの真ん中に、巨大なビルが建っています。高さ30メートル、横60メートル、奥行き150メートル。仙台駅とほぼ同じ大きさだそうです。
4万2千トンのお米を、保管できます。1メートル×1メートル×1メートルの袋が、4万2千袋保管できると言うことです。もちろん全自動の倉庫です。タグをつけてあるので、いつ入れたか、その袋が倉庫のどこにあるか、すべて管理しています。
この精米工場の特徴は、お米を生鮮食品として扱っていることです。お米の味は、もちろん稲の種類と育て方によりますが、刈り取ってから特に精米してからおいしさが落ちます。温度と酸素だそうです。この工場では、全体を低温に保ち、そして精米したら脱酸素剤と窒素で袋に密閉します。日持ちのしないお菓子などに脱酸素剤が入っていますが、お米の袋にそれが入っているのは、びっくり仰天です。賞味期限も表示されています。すなわち、お米が生鮮食品として扱われているのです。
家族の数が減り、またお米をたくさん食べなくなったので、小袋に入れるのも、消費者の要望に合っているでしょうね。お米の検査も、専門的に行われています。農薬などのほか、水分量、食味値、成分、整粒率(被害米等を除いた完全粒の割合)です。規格外のお米は、一粒ずつ機械がより分けるのだそうです。
この精米工場の特徴は、アイリスオーヤマと舞台ファームとの合弁会社です。
アイリスオーヤマは、皆さんご承知のように、さまざまな日用品を売っている会社です。大山健太郎会長から、ぜひ見るようにと言われていたのですが、ようやく約束が果たせました。私はアイリスオーヤマと聞くと、プラスチック製の収納用品を浮かべます。わが家でも使っています。お米は思い浮かべませんが、そこは進取の気風あふれる大山社長の着眼なのでしょう。
もう、家族で田んぼを耕す時代ではありません。お米にあっては、大規模化することで費用を抑え、生産を管理して品質を保証する。事業・企業としての農業が、生き残る方法だと思います。
舞台ファームは、仙台に本拠を置く農業法人です。「畑の中のカット野菜工場」を標榜していて、安全で美味しい野菜をカット野菜で提供しています。 少子高齢化社会では、お手軽に調理できるカット野菜も、消費者の要望に合っています。 カット野菜の市場規模は約1900億円で、インスタントコーヒー市場とほぼ同じだそうです。