北岡伸一・JICA理事長の「明治維新150年、開国と民主的変革に意義」の続きです。
・・・日本は戦前とは違って、軍事大国ではないし、経済大国としても一時のような勢いはない。しかし、このように先進国への道を歩み、伝統と近代を両立させてきたことでは、世界に並ぶ国はない。
こうした経験を、その過程における失敗の数々とともに、世界と共有することが、日本が世界に最も貢献できる点だと思う。
日本は、政府開発援助(ODA)でも、最も成功した国である。1950年代においては、西欧諸国が援助の対象としたサハラ以南のアフリカ諸国と、日本が援助の対象とした(日本以外の)東アジア諸国の経済水準は、ほぼ同じだった。現在、両者の間には、巨大な差がついている。
その原因の一つは、日本のODAだったと言っても、それほど誇張ではない。
現在、世界の大学、大学院で開発学(development studies)の本場はイギリスだということになっている。しかし、本場は日本であるべきだ。日本を開発学の本場として、世界に貢献することが、日本の義務ではないだろうか・・・