復興公営住宅でのコミュニティづくり支援、トヨタ財団

トヨタ財団が、大震災からの復興に関して、助成金の受付をしています。テーマは、「復興公営住宅における良好なコミュニティづくり―話し合い、知恵出し、そして共に汗をかくことによる共用スペースの上手な利用によって」です。共用スペースを上手に使うことについて、自治会役員とNPOを始めとする外部支援団体の協働で成功したモデル事例づくりとその発信を求めます。またそれによって、そのモデル事例の周辺地域の復興公営住宅のコミュニティづくりが加速されるようなプロジェクトへの助成を行います。詳しくは、「募集要項」をご覧ください。
読んでいただくとわかりますが、この募集要項の内容が、コミュニティ再建の秘訣を整理しています。担当の本多さんが、現地を歩いて、関係者と意見交換して作られた力作です。行政では所管省庁もなく、現地での自治会やNPOと市町村役場の試行錯誤で進めています。それを、トヨタ財団が支援してくださっているのです。ありがとうございます。

阪神・淡路大震災を若者に伝える活動、神戸市役所OB

神戸防災技術者の会(市役所退職者が中心に活動している会です。K-TEC)が、阪神・淡路大震災の教訓を生かす活動をしてくださっています。
修学旅行などで神戸を訪れる若い皆さんへの、伝承活動にも取り組んでいます。今年は、既に15件ほど実施したとのこと。出前講座にも行っておられます。ご関心ある方は、問い合わせてください。「神戸で学ぶ防災学習」。東日本大震災を後世に伝える方法として、参考になります。

明るい公務員講座・中級編5

『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」第5回「事務の管理(2)進行状況の確認」が発行されました。課長は、部下に仕事の指示を出して、報告を待ちます。しかし、ただ待っていただけでは、締めきり間際になって、まだ半分もできていないことがわかったりします。そんなことが起こらないように、途中途中で進行状況を確認する必要があります。今回の内容は、次の通り。
途中の確認、課内の業務の進行管理、段取り八分、一歩先を行く、上司の予定表。

 

岩手県沿岸部復興状況視察

一昨日昨日とこのホームページで「実況中継」したように、2泊3日で岩手県沿岸部に復興状況の視察に行ってきました。今日は、釜石市から大船渡市と陸前高田市を見てきました。大船渡市では、昨年まち開きに呼ばれて行った駅周辺の工事がさらに進んでいました。大きなスーパーマーケットもできています。陸前高田市でも、市庁舎隣の大規模な公営住宅が完成し、入居が進んでいます。町の真ん中は、土地のかさ上げが進み、拠点となるスーパーマーケットの建築が始まりました。

多くの地域は1年ぶりの視察でした。2年ぶりとかの場所もあります。着実に工事が進んでいます。関係者の皆さんに、感謝します。現地をご覧になった方ならわかるでしょうが、大変な大工事です。もちろん、被害が大きかった地区では、まだ工事がこれからのところもあります。地権者の同意が得られず難航しているところや、工事に手間取っているところも。しかし、最も重要な「住まいの確保」は、多くの地域で完成しつつあり、あと2年でおおかたが完成します。すると次の課題は、コミュニティを再建することと、産業を再生することです。

自治体の方々も、いくつも苦労話を交えつつ、自信を持っておられます。住宅以外にも、商店が再開したり、学校が再建されたり。新しい町が、目に見えつつあるのです。顔が明るいですよね。顔なじみの皆さんから、「また、見に来てくださいよ。来年には立派な町ができていますから」と言われ、「また来ます」とお約束して帰ってきました。2泊3日、早朝から日暮れまで車に揺られっぱなしは、少々疲れました。何度も行ったことのある、土地勘のある場所ばかりなのですがね。

今日は釜石市

今日は、宮古市から南下して、山田町、大槌町、釜石市へ。宮古市田老地区では、高台移転地区の住宅建設がほぼ完成していました。宅地造成時点ではと、ても高いところだと心配していましたが、家が建つとそうでもなかったです。バスも1時間に1台は通っています。おばあさんたちが、バスを待っていました。

山田町と大槌町は、町の中心部が壊滅的な被害を受けました。高台移転工事が進むとともに、中心部の土地区画整理事業が進んでます。スパーマーケットが開店し、住宅が建ち始めています。あと1年~2年もたつと、鉄道の駅などもでき、家も建ち並んで町らしくなるでしょう。

発災から5年半がたちました。工事だけなら、もっと早くできたでしょう。しかし、町役場は、当初は被災者支援に全力を挙げ、仮設住宅建設を急ぎました。それから、住民と対話を重ねて、まちづくりの計画を作りました。そして、土地を買収しなければなりませんでした。残念ながら、すべての関係者が直ちに同意してくれたわけでなく、同意をいただくために結構な時間がかかりました。同意してもらえず、仕方なく計画を変更した地区もあります。そのような努力を重ねて、まちづくりの事業が進んでいます。