「テレビとジャーナリズムは違う」、アメリカ大統領選挙

11月15日の朝日新聞国際欄「旧来メディア 問われる役割」から。
・・・トランプ大統領という「怪物」を生みだしたのはメディアだった。過激な発言をひっきりなしに取り上げたあげく、その本人に「最も腐敗した既得権層」と敵視され、切り捨てられた・・・という書き出しで、次のようなことが書かれています。
過激な発言を繰り返す実業家は、昨年6月の立候補表明直後から、高い視聴率を稼げる「キラーコンテンツ」になった。今回の選挙で、トランプ氏がメディアを通じて得られた宣伝効果は50億ドルに相当するという試算もある。特にケーブルテレビのCNNは、トランプ氏の会見や集会の中継を続けた。CNNのテレビとデジタルをあわせた広告収入は通常の選挙の年よりも1億ドル増える見通しという。
・・・ワシントン・ポスト紙のメディア担当、マーガレット・サリバン氏は10月のコラムで、(CNNの社長)ザッカー氏についてトランプ氏を躍進させた1人だと指摘。「テレビ局の幹部が視聴率と利益を目指すのは当然だ。しかし、ジャーナリズムは違うのではないか」と批判した。ザッカー氏も10月の講演で「トランプ氏の集会をそのまま放送したのは間違いだったかもしれない」と認めた・・・

真実をつかんだトランプ候補、2

朝日新聞11月17日オピニオン欄「見過ごされてきたもの」、渡部恒雄・笹川平和財団研究員の発言から。
・・・今回、重要な役割を果たしたのは白人中心の「忘れられた層」でした。所得層の最下層は今回も過半数はクリントン氏に投票していますが、その上の中流の過半数がトランプ氏を支持した。彼らは「現在の不満」と「将来への不安」を抱えていました。
ニクソン、レーガン、ブッシュ親子というこの半世紀の共和党政権は、この層を取り込んできましたが、実際に不満や不安を取り除く有効な政策を何もやってきませんでした。彼らは共和党主流派には希望を託せないことも肌で感じ取っていました。そこにトランプ氏という門外漢が出てきて、共和党の主流派にも矛先を向けた。「どんな政治をするのか分からない」というリスクは、この層も分かっていましたが、むしろ「旧来の共和党とは違う変化をもたらす」可能性に賭けたのでしょう・・・

福島で大きな地震、11月22日早朝

今朝、5時59分に地震が起きた時は、福島のホテルのベッドの上でした。そろそろ起床しようかと思っていたら、大きな、しかも長く続く揺れです。「これは大きいぞ」と思いつつ、「これなら、このホテルで大丈夫だな」とも推測しました。机の上のテレビも倒れることなく、停電もありません。3.11とは違うことがわかりました。テレビをつけるとともに、カーテンを開けて市内を見ました。道路の交通も信号機も通常通りです。テレビでは、アナウンサーが避難を呼びかけ続けていました。震度は5弱でした。
ホテルの私の部屋は10階、エレベーターは停止していました。しばらくして復旧したので、階段を上り下りしなくてすみました。緊急に事務所に出勤した職員から、随時の報告もあり。その後の情報は、皆さんがテレビでご覧なったとおりです。大きな被害がなくて、良かったです。
今日は久しぶりに、原発被災地の視察を予定していました。しかし、津波などの被害が起きたり、対応に追われている現場に迷惑をかけては、いけません。テレビの情報を見つつ、現地と連絡を取って「大丈夫です」との確認をとってから、予定より遅れて出発しました。今日は、市町村役場とは関係ないか所を予定していたので、迷惑はかけないので。念のため、海岸沿いは外しました。

真実をつかんだトランプ候補

朝日新聞11月17日オピニオン欄「見過ごされてきたもの」、エマニュエル・トッドさんの「真実語っていたトランプ氏」から。
・・・歴史家として見るなら、起きたのは当然のことです。ここ15年間、米国人の生活水準が下がり、白人の45歳から54歳の層の死亡率が上がりました。で、白人は有権者の4分の3です。
自由貿易と移民が、世界中の働き手を競争に放り込み、不平等と停滞をもたらした、と人々は理解し、その二つを問題にする候補を選んだ。有権者は理にかなったふるまいをしたのです。

奇妙なのはみんなが驚いていること。本当の疑問は「上流階級やメディア、大学人には、なぜ現実が見えていなかったのか」です。
選挙戦では、候補個人について多くのうその応酬がありました。しかし、社会について語る場面では、真実を口にしていたのはトランプ氏の方でした。
彼は「米国はうまくいっていない」と言いました。ほんとうのことです。「米国はもはや世界から尊敬されていない」とも言いました。彼は同盟国がもうついてこなくなっている事実を見ています。そこでも真実を語ったのです・・・

 

11月も20日です。

今日は11月20日。日が経つのは早いですね。今年も、あと1か月余りです。
ここのところ被災地視察が続き、講演会もあって、事務所にいる時間が少なく。とはいえ、携帯電話のおかげで、どこにいても仕事が追いかけてくるし・・。業務の合間に、次の講演会の資料を間に合わせました。
原稿も、ホイホイと引き受けたのが、いくつかたまっています。連載も、次の締めきりが迫っていて。平日夜に時間がとれれば良いのですが、そちらも毎晩に意見交換会を入れるので。この週末も、原稿書きにかかり切りでした。晩酌をした後も、机に向かっています。ゆっくりと好きな本を読みたいのですが。なぜか「因果な商売」です。
いつも、「次々と予定を入れる秘書が悪い」と笑っているのですが、原因はすべて私にあります(苦笑)。来年の年賀状も印刷したのですが、表書きと添え書きは、当分先送りですわ。私の人生は、仕事の他に、原稿の締めきりに追われ続ける日のようです。「締めきりがない」という日が、来ないかなあ・・。