朝日新聞11月17日オピニオン欄「見過ごされてきたもの」、渡部恒雄・笹川平和財団研究員の発言から。
・・・今回、重要な役割を果たしたのは白人中心の「忘れられた層」でした。所得層の最下層は今回も過半数はクリントン氏に投票していますが、その上の中流の過半数がトランプ氏を支持した。彼らは「現在の不満」と「将来への不安」を抱えていました。
ニクソン、レーガン、ブッシュ親子というこの半世紀の共和党政権は、この層を取り込んできましたが、実際に不満や不安を取り除く有効な政策を何もやってきませんでした。彼らは共和党主流派には希望を託せないことも肌で感じ取っていました。そこにトランプ氏という門外漢が出てきて、共和党の主流派にも矛先を向けた。「どんな政治をするのか分からない」というリスクは、この層も分かっていましたが、むしろ「旧来の共和党とは違う変化をもたらす」可能性に賭けたのでしょう・・・