10月13日の朝日新聞オピニオン欄は、前田正治・福島県立医科大学教授へのインタビュー「福島、5年後のこころ」です。
原発事故では、放射線を浴びることで亡くなった方は、おられないようです。また、放射線が原因で身体的病気になられた住民も、おられないようです。しかし、放射線に対する心配で健康を害された方、避難生活で健康を害された方がたくさんおられます。
「震災から5年半がたちました。原発事故被災者の心の健康はどんな状態ですか」という問に。
・・・ゆっくりとした回復を示すデータと同時に、深刻な事態を示すような相反するデータもあり、二極化の様相を示しています。県内で避難指示が出た市町村に住んでいた21万人の健康調査を毎年行っていますが、うつ病の可能性がある人の割合は、2012年から4年間で14・6%から7・8%に下がりました。全国平均は約3%ですからまだまだ高いですが、減る傾向にはあります。ただ、岩手、宮城では急減した震災関連自殺は、福島では依然として多く、累計で80人を超えました。アルコール摂取に問題を抱える男性も2割前後で横ばいが続いています・・・
「原発事故は、心の健康にどう影響しているのでしょう」という問に。
・・・放射線への不安が広く深い負の影響を与えています。一つは、直接的な恐怖体験からくるストレス障害です・・・より深刻なのは、放射線被曝の遺伝的な影響を心配する被災者が、減ったとはいえ今なお4割近くいることです・・・
断片的な報道はありますが、この記事のように、詳しく取り上げた記事は少ないようです。ぜひ、原文をお読みください。(2016年10月13日)