朝日新聞8月27日「戦後の原点」テッサ・モーリス=スズキさん「突然の帝国解体、旧植民地と未清算の一因」から。
「多くの日本人にとって、帝国が解体したログイン前の続きという歴史意識は薄いのでは」という問いに。
・・・日本は戦争に敗北した瞬間、それまでに得た支配地域を手放さなければならなくなりました。しかも、それは突然でした。大英帝国の場合、アジアやアフリカで独立運動も起き、植民地支配の終わりは少なくとも数十年をかけて進行するプロセスでした。
本は対照的です。敗戦と同時に突然帝国が終わったことは、旧植民地との間に今日まで未清算の問題が残る一因になりました。
日本では悲惨な敗戦体験もあり、責任意識より被害者意識のほうが支配的になりました。市民レベルでの旧植民地とのつながりが突然断ち切られたことも、双方の歴史認識の隔たりを広げた。日本政府は清算に積極的に取り組まなかったが、冷戦構造にすぐ組み込まれたせいで台湾や韓国の人々が日本を強く批判できなくなった事情もある・・・
これは、あまり取り上げられない論点です。歴史の教科書にも取り上げられることは、少ないでしょう。しかし、日本の政治家やオピニオンリーダー、アジアで活躍する人には、必須の項目です。原文をお読みください。