今日は、福島県飯舘村まで、交流センターの開館式典に行ってきました。村は、阿武隈高地にあるきれいでのどかな村ですが、原発事故の影響で、全村で避難を余儀なくされています。帰還準備が進み、来年3月に避難指示を解除し、帰村することが決まっています(一部地域を除く)。
菅野村長との付き合いは、5年になります。当初から、この方はすごい方だと尊敬していました。強い信念で住民を取りまとめ、村に戻るのだと頑張ってこられました。会う度に、叱咤激励されます。頭が下がります。今日は、祝辞の中でそんな話もしました。
除染やインフラ整備が進んでいますが、生活を取り戻しにぎわいを戻すには、さまざまな条件が必要です。今日開館した交流センターも、住民のつながりの拠点となることが期待されています。
今日はお盆。飯舘村のご先祖さんたちが、交流センターの空の上から見てくださっているのだなあと、空と雲を見上げながら考えていました。高原なので昼の気温は26度、吹く風はさわやかで、気持ちよかったです。福島市内に降りてくると、31度でした。お盆の土曜日とあって、行きの新幹線は超満員でした。
月別アーカイブ: 2016年8月
避難指示解除地域、次の課題
読売新聞が毎月11日に連載している「震災5年再生の歩み」、8月11日は「避難指示区域が縮小」でした。
平成25年12月に原発事故避難指示区域が再編され、放射線量に応じて、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3つに区分されました。政府は平成29年3月までに、居住制限区域と避難指示解除準備区域について、条件がそろえば避難指示を解除することとしています。順次、避難指示が解除され、住民の帰還が始まっています。記事では、3つの地図を並べて、その進み具合がわかるように工夫されています。
住民が帰還するためには、いくつかの条件が必要です。
まず、放射線量が下がること、心配なところは除染をします。道路などは大きくは壊れていませんが、5年ほど放置してあるので補修する必要もあります。家の掃除も必要です。次に、生活環境が必要です。買い物の場、病院などです。これがないと、暮らせません。もちろん、働く場の再開も必要です。これらは、市町村、県、企業の方と一緒に進めています。
ところがこのほかに、学校が大きな課題になっています。記事にも取り上げられていますが、子供さんを抱える家庭は、放射線への不安から帰還をためらいます。また、避難先の学校で落ち着いた子供も多く、転校は喜びません。そして同級生の人数が少ないと予想されると、これも帰還をためらわせます。
市町村長は、「子供の戻ってこない地域では、いずれ衰退する」と危機感を持っておられます。親が通わせたいという学校を作ることが、次の大きな課題になっています。一つ前に進むと、次の課題が見えてきます。順次解決していきましょう。
元気な町工場
朝日新聞夕刊が、「真夏の町工場をたどって」という連載をしています。ご覧になっている方も多いでしょう。町工場が独自の技術で、存在感を示している例です。
8月8日は、クレーン屋さん、従業員10人の「日興工機」の話です。電車の点検が行われる車両基地で使われているクレーン。それを作り、保守している会社です。何が起きても、すぐ対応しなくてはならない。だから、会社丸ごと夏休みをとることなど許されないと考えていた社長と専務の親子が、1週間の全社員一斉の夏休みをとることにしました。
・・・親子は「全社夏休み」を決心した。それには、仕事を減らす必要がある。2人は大口の取引先に出向いて、事情を話した。取引中止も覚悟した。先方はいった。「上司に『日興工機を離すな』と厳命されています。ご事情にあわせます」・・・
良い企画ですね。このような事例を取り上げ、中小企業と日本を元気にしてください。官庁の記者クラブで取材していては、日本の経済はわかりません。
山本泰先生
この春、山本泰・東大教授の最終講義に行ってきたことを、書きました(2016年3月21日)。その資料が、先生のホームページに載りました。「社会学がわかるとはどういうことか?」は、社会学はそういう学問なのだということがわかります。「懇親会」には、私も登場します。
明るい公務員講座第31回
連載「明るい公務員講座」第31回、「家庭はあなたを育てる」が発行されました。先週に引き続き、家庭編の2回目です。
家庭は安らぎの場所ですが、職場とともに、いえ職場以上に思い通りにならないところです。夫婦生活と子育て、そして最近は老親の介護は、職場以上に難しい「人生修養の場」です。それに比べれば、職場の人間関係は楽なものですわ(苦笑)。管理職になる前に、経験しておくと、良いですよ。今回の内容は次の通り。
イクメンの勧め、介護はもっと大変、仕事を支える家庭、家庭もあなたを育てる場、人生は夫婦でつくるもの。
読者からの反応です。
Aさん この通りですね。毎回勉強になります。でも、こんなことを書くことができるのは、全勝さんだけですね。
Bさん 全勝さんはいつも「美人のキョーコさん」と言っていますが、私は妻に向かって「美人の××子さん」とは言えません。
Bさんへ、一度言えば、やみつきになりますよ。繰り返し言っているうちに、習慣になりますわ。