読売新聞が毎月11日に連載している「震災5年再生の歩み」、8月11日は「避難指示区域が縮小」でした。
平成25年12月に原発事故避難指示区域が再編され、放射線量に応じて、帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3つに区分されました。政府は平成29年3月までに、居住制限区域と避難指示解除準備区域について、条件がそろえば避難指示を解除することとしています。順次、避難指示が解除され、住民の帰還が始まっています。記事では、3つの地図を並べて、その進み具合がわかるように工夫されています。
住民が帰還するためには、いくつかの条件が必要です。
まず、放射線量が下がること、心配なところは除染をします。道路などは大きくは壊れていませんが、5年ほど放置してあるので補修する必要もあります。家の掃除も必要です。次に、生活環境が必要です。買い物の場、病院などです。これがないと、暮らせません。もちろん、働く場の再開も必要です。これらは、市町村、県、企業の方と一緒に進めています。
ところがこのほかに、学校が大きな課題になっています。記事にも取り上げられていますが、子供さんを抱える家庭は、放射線への不安から帰還をためらいます。また、避難先の学校で落ち着いた子供も多く、転校は喜びません。そして同級生の人数が少ないと予想されると、これも帰還をためらわせます。
市町村長は、「子供の戻ってこない地域では、いずれ衰退する」と危機感を持っておられます。親が通わせたいという学校を作ることが、次の大きな課題になっています。一つ前に進むと、次の課題が見えてきます。順次解決していきましょう。