昨日土曜日もいろいろ雑用があったので、今朝は5時に起きて、連載原稿の執筆。午前中は、孫のお相手。これが一番疲れます。
午後からは、まずは上野の国立博物館へ。日本と韓国の2つの半跏思惟像が特別展示されています。1400年前に、これだけの表情豊かな仏像が作られたのですね。そして、残っているのです。残念ながら、韓国の仏像はどのように伝世したか不明のようです。
そして、14 時30分には、両国の江戸東京博物館へ。今年も「発掘された日本列島」を見るためです。15時から文化庁の専門家による解説があるので、それまでに一通り見ておくのです。今年も、びっくりするような品がたくさん並んでいます。震災復興の過程で発見された文化財も、たくさん展示されています。そして、いよいよ15時からは、K調査官による解説。毎年M調査官の解説を楽しみにしているのですが、今年は私の日程が合わず。K調査官の解説も、とても良かったです。テーマを設定して、その角度から主な出土品の意味を教えてくれます。展示品とそれに付いている解説文を読んでいるだけでは、絶対わからないことばかりです。一緒に聞いていた観客たちも、一様に頷いていました。
お薦めです。ぜひ、調査官の説明のある土日(+金曜)のその時間帯に、行ってください。日時は、ホームページの下に載っています。その後、全国を巡回します。
月別アーカイブ: 2016年6月
聞き上手
NHKラジオ第2放送「こころをよむ」4月~6月は「聞き上手のレッスン」です。これは、勉強になります。テキストも発売されています。
「明るい公務員講座」にも書きましたが、相談を受ける際も、相手が助言や答を求めている場合と、話を聞いて欲しいという場合があります。後者の場合に、相手の話の途中で答を言っても、相手は満足しません。
さてこの講座(テキスト)では、自分が「話し手」になろうと思うのでなく、「聞き手」になることを教えてくれます。そして聞くことは、思いやりの心を伝えることなです。黙って聞いているだけでは、聞き上手になれません。例として、次のような場合が出ています。夫が帰宅して「今日、職場でこんなことがあってさ・・・」と愚痴めいたことをいった場合に、妻が「でも、仕事だから仕方ないわね」というのか、「そう。それは大変だったわね」というのとでは、夫の受け止め方は大きく違ってきます。どちらの答え方でも、妻は昼間のできごとの解決には触れていません。でも、夫は後者の場合は、ほっとするのです。
相手が何を求めているかを判断して、受け答えをしなければなりません。これはけっこう難しいことです。まずは、相手の発言をさえぎらないこと、答を早く言わないことです。若いうちは男性より女性の方が上手ですが、歳を重ねると、逆転するという興味深い指摘もあります(苦笑)。
良い上司になるには、的確な判断と発言も必要ですが、聞き上手であることも必須です。上司になろうとしている人、「話し上手な人」は、ぜひお読みください。すごく勉強になります。うなづくことばかりですよ。
私は生来のおしゃべりで、人の話をさえぎってまで話してしまう欠点を持っています。小さいときから注意されていたのですが、この歳になるまで直りませんでした。それでも、若いときに比べれば、かなり改善しました。特に、部下の困りごとを聞くとき、人の意見を聞くときなど、ここぞというときは、じっと我慢します。もっと早く、この本を読めば良かったです。
復興論文大賞
今日は、復興5周年企画の一つである、「現場場で役立つ復興論文大賞 表彰式」に行ってきました。これは、地域創造基金さなぶりが企画した、学生等を対象とした論文コンクールの表彰式です。趣旨が、「現場で役立つ復興論文」です。企画書(募集要項)から引用します。
・・・「研究成果から浮かび上がる、次の5 年の課題や挑戦とは」
東日本大震災発災後、多くの研究者の方々が、被災地の住民や暮らし、支援活動や震災に関わる様々な調査・研究に取り組まれているかと思います。その調査・研究の成果は、2016 年以降の東北の次の5 年において、地域が何を注視すべきかを浮かび上がらせる、極めて重要な資源・情報であると考えています。
本事業は、研究者の皆さま方が調査を通じて明らかになった事実や成果、あるいは課題等を、各地域の行政、NPO、住民の方々へ伝える橋渡しのようなプロジェクトを目指し、まずは広く研究者の方々にご関心を持って頂き、その研究結果としての論文や論稿を投稿頂きたいと考えています・・・
・・・解決策が明確でないケースでも、そこに課題が存在していることが明らかになるだけでも大きな価値があると考えています・・・
そうですよね、せっかく多大な労力とお金を費やした研究が、それぞれの発表だけで終わっては、もったいないです。先日の児童生徒作文コンクールといい、良い知恵を出す人がいますねえ。入賞作品は、なりわい、つながり、伝承など、インフラ復旧にとどまらない広がりがあります。作品は追って、ホームページに載るようです。参考にしてください。
なぜか忙しい1週間
またまた、怒濤のような1週間が過ぎました。退職して民間人になり、非常勤職員になったはずなのに・・・。仕方ありませんね。福島と東京と、2か所に仕事場ができたので、それも忙しさを助長しています。
挨拶回りも十分にできていません。もっとも、これまで異動の度に、ゆっくりと挨拶回りができたことはありません。常に、その日から仕事に追われて。しかし今回は、公務員人生が終わった節目です。落ち着いたら、ご挨拶に参ります。いただいた電子メールに返事を書くことも、遅れています。
昼も忙しいですが、どうしても、夜が足りません。いろんな方が、「慰労会をしよう」と言ってくださるのですが。国会議員、マスコミ、企業、NPO、研究者、友人、同業他社。身内の方は後回しにして、異業種の方との意見交換会を優先します。日程調整しながら、「土曜と日曜なら空いているのですが」と言って、嫌われています。実は、それらの日にも入れているのです。
「全勝さん、忙しいでしょうから、落ち着いたら懇談会をしましょう」と言ってくださる方が、うれしいです(すみません)。いつになるやら・・・。このホームページに書こうと、温めてある記事もあるのですが、順次載せますわ。
退職、2
昨日は、岩手、宮城、福島県知事に退任のご挨拶をして、そのまま福島泊まり。マスコミの皆さんを中心に、まずは挨拶回りをしました。夜は、早速、地元の方と異業種交流会・意見交換会でした。
この5年間、マスコミが客観的な報道をしてくださったことに、感謝します。これまでだと「遅れている復興」とか「被災者の気持ちに立っていない行政」といった、おきまりの批判報道がされたのでしょうが。今回の大震災では、そんな定番報道ではなく、被災地を取材した報道が多かったです。もちろん、私たちには耳の痛い指摘もありましたが。抽象的な「遅れている批判」では、対応のしようがないのです。「××地区の○○事業が・・・」と指摘されれば、私たちも対応できます。東京で取材していても、復興のニュースは書けないのです。これからも、現場の事実に基づいた指摘をしてください。私たちが気づいていない点を指摘してくださるのは、ありがたいことです。
TBSのインターネットで、私の記者会見を載せてくれたそうです。http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2803543.html
・・・「官僚人生の最後にこのような重大な仕事を5年間も引き続きさせてもらえたと。私にとっては嬉しいというか、やりがいがあった。これだけの仕事を責任負わせてもらうというのは官僚冥利だと思います」(退任した岡本全勝復興庁事務次官)
「行政の縦割りを廃し前例に捉われない」という信条のもと、これまでの官僚体制に挑戦し続けてきた「名物次官」の退任です・・・