読売新聞5月29日の「地球を読む」、アメリカの政治学者、ジョセフ・ナイ氏の「同盟関係こそ力の根源」から。
・・・米国には「過去の支配的な諸大国」と異なる特徴がある、と言うのは英国の戦略研究家ローレンス・フリードマン氏だ。その違いを「米国の力の基盤が植民地支配でなく同盟関係にあること」と指摘する。同盟関係が資産なのと対照的に、植民地支配は負債となる・・・
・・・今後米国はますます多くの新たな超国家的問題に直面するだろう。その際求められるのは、米国の力を他国に「対して」だけでなく、他国と「共に」行使することだ。世界が一段と複雑化している中では、他国と最も連携している国こそが最も強い国になる。国務省政策企画室長を務めたアン・マリー・スローター氏が「外交とは社会資本であり、国の外交的接触の濃度と広がりに依拠している」と指摘したとおりだ・・・