5月20日日経新聞経済教室「サミット 政治外交の焦点」、ケント・カルダー(ジョンズ・ホプキンズ大学教授)「民主主義の共有 再確認を」から。
・・・先進国首脳会議(G7サミット)は1975年の発足以来、40年以上の年月を経て、グローバルに価値あるものへと進化を遂げてきた・・・79年の第2次石油危機への国際的な対応が第1次石油危機よりも容易だったのは、G7史上最も成功を収めた79年の東京サミットでのマクロ経済的な対応とエネルギー政策によるところが大きい。もし70年代初頭にG7が存在したなら、ニクソン・ショックや米国大豆輸出規制に代表される貿易戦争などの騒ぎは起きなかったと筆者は考える。
ここでG7が一体どのようなものか認識することが重要だ。G7は先進工業技術を有する世界で最も巨大な経済国家の集合体だ。最も重要なのは、G7メンバー国が民主主義と市場経済という2つの特質を共有していることであり、広く国際的に関連する共通の価値へのコミット(関与)を明言していることである。
2008年以来、G7はより大きく包括的な機関のG20と国際的な課題設定(アジェンダセッティング)という複雑な任務を共有している・・・