3月28日の朝日新聞「証言そのとき」は、生田正治・日本郵政公社初代総裁の「郵政、官業脱却に全力」でした。商船三井の社長が、なぜ民営化の責任者を務めたか。それは本文を読んでいただくとして。官庁と民間企業の管理職の違いについて、次のようなことをおっしゃっています。
・・・官庁スタイルで、まるで国会答弁のようでしたね。ですから、2カ月ほど様子をみて言ったんです。「来月から部下の『お付き』はやめよう」と。「えっ」という顔でみんな驚くから、「自分で勉強して把握してくるんだ」と伝えました。
2003年の初夏の、郵政公社の会議室。経営委員会の出席者二十数人の後ろには、分厚い書類を携えて発言を助ける担当者たちの姿があった。
のちに総裁を辞めるとき、何人かに「あれがいちばん参った。委員会の前々日ぐらいから緊張して勉強しましたよ」と言われてね。それがいい。自分で自分の部門のことがわからないと、深い議論はできません・・・