日経新聞読書欄「今を読み解く」、2月14日は「国産ジェット、高い潜在力」でした。エンジンを主翼の上に付けた、常識を破った形で有名なホンダジェット。その開発リーダーである藤野道格さんについて。
・・・ジェットエンジンは最後はGEとの合弁になったが、基本設計はホンダが開発した。機体とエンジンの両方を開発する競合企業はない。ホンダの強みは、これも含めて、統合的な開発力である。欧米企業は技術者の役割分担が細かく、航空機全体から考える力が弱い。革新的な「自然層流翼」技術も、翼型と機体全体を別々に設計すると発想できなかったと藤野はいう。この強みは日本の自動車産業の強みとも共通している。
藤野は調整重視ではなく、自分が考え抜き強力にけん引する。航空機では、映画「風立ちぬ」のモデル、零戦の堀越二郎やボーイング747のジョー・サッターのような強力なリーダー「主任設計者」が不可欠である・・・