年別アーカイブ:2015年

藤沢烈さんの新著

2015年3月14日   岡本全勝

藤沢烈さんの新著を紹介します。『社会のために働く 』(2015年、講談社)。藤沢さんは、このホームページでもしばしば取り上げている、NPOの代表です。大震災の発災直後から、ボランティア活動と復興庁をつなぐ復興庁の非常勤職員の一人として、私たちを助けてくれました。
このNPOは、被災地で肉体労働的支援をするのではありません。被災地で求められている課題を調べ、その解決に協力してくれる相手(企業やNPO、国など)を探して紹介するのです。彼は、これをコーディネイトと呼んでいます。労力の支援でなく、知恵の支援といったら良いでしょうか。コンサルタントが、問題を分析して企画を提案するのに対し、コーディネーターは、その企画を実行するところまで伴走するのです。また、問題解決を自ら指示してやってしまうプロデューサーでは、被災地や被災者が主体になりません(p22)。この指摘は、わかりやすいです。
この本は、被災地での支援をきっかけに生まれた、新しい社会貢献的事業や、企業による新しい支援のあり方の実例紹介です。事例紹介が具体的で、わかりやすいです。「社会課題の解決が新しい価値創造になる」というのです。
企業による復興支援には、CSRによるものと事業とがあります。また、金銭や物資の提供といった渡しきりの支援と、現地の課題解決のために継続して行う支援があります。震災を機に、社会を変える新しい動きが出ています。それも、企業やNPOによってです。新聞報道などで断片的に取り上げられていますが、このようにまとまって紹介してもらうと、わかりやすいです。
終わりの方に、私も出てくるのですが、過分な評価に、恥ずかしいです。でも、民間の若手には、私はそう見えていたのですね。ただし、私の発言が「東京弁」で書いてあります。これは大きな間違いです(笑い)。

1週間が終わりました

2015年3月13日   岡本全勝

今週も、怒濤のような1週間が終わりました。もっとも先週土日も出勤して資料整理などをしたので、1週間という気がしません。10日火曜日には官邸で復興推進会議、11日は4年目の記念日など、節目の時期だったので、大変でした。今日は、先週行ったイラク政府幹部への講義の第2回目。第1回目が好評だったらしく(?)、再度呼ばれました。
お昼に弁当を広げると、職員がそれを狙って入ってきます。「食べ終えられた頃、来ます。消化に悪い話ですから」と、いったん引き下がる職員もいます。その予告が、よけいに悪いです(苦笑)。「昼飯くらい、ゆっくり食べさせてくれよ」と言うと、「いえ、統括官がホームページに書いていたように、『仕事を終えたご褒美は、次の難しい仕事』です」と、反抗します!
ところで、私は、原則8:30出勤にしています。職員が出勤してくると、自分の時間を持てないので。多くの職員は9:30出勤です。ところが最近は、何人かの職員、特に参事官たち管理職が、8:30や9:00前に出勤してくるのです。そして、私の部屋に入ってきます。これでは、意味がありません(苦笑)。でも、世間では8:30出勤が当たり前ですから、喜ばしいことです。そこで、8:15頃に出勤するようにしたのですが。これを繰り返すと・・・。
問題は、17:15には退庁できないことです。国会開会中などは、早朝に答弁打ち合わせがあるので、関係職員は早く出てきます。そして、答弁資料に「28時」(午前4時のことです)と書いてある資料を、7時過ぎに説明することもあるのです。彼らのまさに献身的な労働があって、仕事は回っています。

企業の福島県応援

2015年3月12日   岡本全勝

NTT東日本が、福島県の農産物を、優先的に社員食堂で利用してくださいます。また、復興庁主催の地域復興マッチング「結の場」を通じて関係ができた、宮城県多賀城市・気仙沼市、岩手県大船渡市の被災企業(食品製造、水産加工)の商品を利用した「結の場特別メニュー」を社員食堂で提供してくださいます(NTT東日本の記者発表)。この社員食堂は、1日の利用者が合計で4,700人になるそうです。ありがとうございます。
これについては、Gさんが汗をかいてくれました。M参事官が、解説付きで資料を送ってきました。「岡本のホームページで紹介せよ」と言外に書いてあったので、ここに紹介します。とはいえ、このようなことがニュースにならない日が来ればよいのですが。それまでは、皆さんの協力をお願いします。

住宅再建の次の課題

2015年3月12日   岡本全勝

NHK時論公論3月11日深夜(12日0時)は、二宮徹解説委員の「"心の復興"にさらなる支援を」でした。インフラ復旧が進み、住宅再建が進むと、次の課題が見えてきます。その際に、各地での復興事業の進捗の差以上に、被災者の生活再建の差や「心の復興」の差が出てきます。二宮さんは、「復興の列が伸びる」と指摘しておられます。
・・被災者もそれぞれの立場で、「心の復興」の度合いが違います・・比較的早くに前を向いて歩き出した人は、自力で住宅を再建したり、仕事を再開したりして、今、復興の列の先頭を歩いています。
また、移転先の高台や災害公営住宅がまだ完成せず、待っている人が多くいます。中には待ちくたびれて、疲れてきた人もいます。
一方で、立ち上がる気持ちが戻らない人がいます。家族を亡くした悲しみに暮れる人や、ようやく建てた自宅や仕事、生きがいを失った人たちです。心には、それだけ大きな傷が残っています。しかも、こうした人の中には、周りの復興が進むにつれ、立ち上がれない自分が取り残されているという気持ちや焦りが強まっている人が多くいます・・
・・4年がたち、この列は長く伸びました。残された人たちの心の負担が増しています。仮設住宅からの退去が本格的に進むこれから、心の問題がさらに深刻になると懸念されています・・
ありがとうございます。重要な指摘です。また、後段では、「釜援隊」を取り上げた後、次のようなことも書いてもらっています。
・・こうした支援の格差をなくす工夫が必要です。復興庁は、各地の活動の調整や支援に当たるコーディネート事業を1月から始めました。支援先を探している民間企業やNPOを含め、支援に関わる組織や人が連携することで、質の高い支援を被災地全体に広げようとしています。
課題はそれだけの人材を確保できるかどうかです。意欲と能力があり、被災地に住める人が、数百人は必要だと思います。そのためには、報酬があるとはいえ、最長で5年の期限があり、将来が見通しにくい形では限界があります。意欲のある若者がもっと多く集まるよう、条件を改善すべきだと考えます・・
ぜひ原文をお読みください。