12月20日の日経新聞「日曜に考える」は、塩野七生さんの「揺れる世界と政治 リーダーの条件とは」でした。
「古代ギリシャ人はまさに民主政の創始者です」との問に対して。
・・・結局、市民社会、市民階級がないところには民主政は成り立たない。そのことは現代でも立証されています。持てる力を可能な限り活用するために生まれたのがアテネの民主政であって、やはり中産階級が重要な役割を担ってきた・・・
「欧州以外はどうでしょうか」との問には。
・・・イスラム世界は中産階級をついに作れなかった。それが民主政が成り立たず、社会が安定しない原因でもある。商人階級は作りました。北アフリカのイスラム世界はサハラの黄金を売っていた。今ならばオイルです。原料を輸出する側はそれだけでもうかる。工業製品を輸出する側は、例えばフィレンツェやベネチアだったら繊維業で、色を付ける、織るなどの過程がある。その人たちに職を与えることになった。
イスラム世界は人々に高学歴を与えることはできた。しかし今なお高学歴にふさわしい職場を作れていない。だから軍隊とかバース党(アラブ主義政党)のような所に貧しい秀才が流れてしまうのです・・・
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