先日、ブルデューの経歴を紹介しました(2015年12月5日の記事)。フランスの田舎で生まれ、勉強して地方の中心都市に出て学び、最後はパリのエリート校で学びます。日本も同じで、明治以来、学問を身につけ、立身出世する道が開かれました。パリや東京へ出て一流校で学ぶことは、地理的移動であるとともに、社会的上昇の階段を手に入れることも意味しました。私も、地方から東京の大学を目指した多くの学生も、同じでした。
もちろん、「上京」「上洛」は、明治以前からある言葉で、都に上ることは価値があったのです。しかし今は、東京が双六の上がりではなくなりました。国際化が進むと、ニューヨークや上海など、世界が活躍の場になります。