加藤晴久著『ブルデュー 闘う知識人』には、エコル・ノルマル・スュペリユールの超エリート教育が紹介されています。p25~。
フランスには、大学と並行して、ゴランド・エコル(大学校)があり、国公立・私立あわせて300校近くあります。エコル・ノルマル・スュペリユール(高等師範学校とも訳されます)は、大革命期の1794年設立、元は高等中学(リセ)の教員養成が目的でした。パリとリヨンに合計4校ありますが、パリのウルム通りにあるのが、ダントツのようです。ブルデューは、ここを卒業します。入学者は、文科・理科ともに40人前後。20歳前後で入学する学生は準公務員扱いになり、小学校教員並みの給料をもらう身分になります。
加藤先生も、1961年から4年間学ばれました。当時は全寮制、起きてパジャマにガウンをまとうか、着替えて食堂へ。その間に家政婦が、ベッド・メイキングをして、掃除をしてくれます。昼食と夕食では、サービス係がテーブル食事をに運んでくれ、ワインも出ます。食事の質も上等。ワイシャツ、下着、ハンカチまで提供され、袋に入れて出すと、洗濯してアイロンをかけて返してくれるそうです。
学生たちは、俗事から解放されて、ひたすら勉強に励むのです。