日経新聞1面連載「税金考」12月6日に「選挙のわな。先送り誘発、再考の時」から。
・・・「選挙が多すぎる」。早稲田大学の日野愛郎教授はこう指摘する。
戦後70年の国政選挙の回数は、日本47回、米国35回、フランス29回、英国19回、ドイツ18回だ。「どんな国でも選挙を意識すると政治家は痛みのある改革に動けない。日本の政治制度は改革の先送りを誘発しやすい構造だ」(日野教授)
必要な政策をきちんと実現するには政治の安定が不可欠だ。ドイツでは議会の解散を強く制限。内閣不信任案の決議の前に後任首相を選ぶことを義務付けた「建設的不信任制度」がある。任期満了前の議会解散は戦後70年でわずか3回。日本は25回だ。
痛みの分配が迫られる時代。日本の政治制度改革に深く関与してきた佐々木毅元東大総長は1年半おきに国政選挙がある日本の政治についてこう思う。「長期的な課題が結局、1年ごとの話に翻訳されてしまい、国家百年の計が語られることがなくなってしまった」・・・