感染症の歴史、2

インフルエンザウイルスの大きさは、10のマイナス7乗(100nm)です。人の子どもの大きさを1mとすると、1,000万倍違います。地球の大きさは直径13,000kmで、子どもの1,300万倍です。インフルエンザウイルスと子どもの大きさの比が、子どもと地球の比とほぼ等しくなります。子どもに感染するウイルスは、人を乗せて地球に接近する宇宙船のようなものです。
くしゃみで、2m先の別の人に感染する場合、ウイルスから見た距離は、2×10の7乗の距離で、人に置き換えると2万kmになり、北極から南極までの距離になります。1回のくしゃみに、10の8乗(1億個)のウイルスが含まれる1mlの唾が飛ぶとすると、1億人が北極から出発し南極を目指すことになります。たどり着くのは、なかなか大変なことです(p158)。でも、風邪がうつりますよね。
海水中のウイルスは、少なくとも1ml中に、深海で100万個、沿岸で1億個と推計され、世界の海全体でウイルスの総量は10の30乗個といわれています。ウイルスの大きさは平均100nmと極めて小さいのですが、海のウイルスをすべてつなぐと、10のマイナス7乗×10の30乗=10の23乗で、1,000万光年(1光年=10の16乗m)になります。銀河系の直径の100倍だそうです! 全人類70億人が手をつなぐと、2m×7×10の19乗=1.4×10の10乗m。光の速度が1秒で30万キロメートルなので、47光秒です。太陽と地球の距離の10分の1です(p39)。ひえ~。