これも、2か月以上前に読んだ本です。飯田洋介著『ビスマルク―ドイツ帝国を築いた政治外交術』(2015年、中公新書)。
世界史の授業では、必ず聞く名前です。鉄血宰相、普仏戦争に勝ち、ドイツを統一した大政治家として有名です。また世界で初めて社会保険制度を導入したことを、ご存じの方も多いでしょう。プロイセンとドイツの首相を、27年間も務めました。とはいえ、そのイメージだけで、どのような人生を送ったかは、案外知られていません。評伝なども訳されているのですが、分厚くて・・・。私も、読んでいません。新書版は読みやすくて、ありがたいですね。
これを読むと、決して順調な政治家人生ではなかったのです。しかし、彼が何を目指し、どのような手法で、何を実現したのか。大政治家と呼ばれる所以がわかります。社会と国家と世界を、どうとらえるか。その範囲と見方の広さ。そして、何を実現するのか。そのために、政治は何ができるか。その構想力の大きさです。
ところで、ビスマルクの言葉で「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」が有名ですが、原文は少し違うようです。この言葉は、本書では紹介されていません。