日本財団が、「次の災害で被害を拡大しないためのノウハウ」訓練をしてくださっています。
・・・大きな震災が起きる度に、避難所に移ってから亡くなる「関連死」の多さが問題になっている。阪神・淡路大震災(1995年1月)では死者の14%を占め、新潟県中越地震(2004年11月)では死者の半数以上が関連死と認定された。このため、避難所生活の質を向上させる観点から避難所のあり方を見直す動きが強まっている。そこで日本財団は南海トラフ地震で大きな被害が想定されている三重県と共催して、災害時に重要な役割を果たす人材を育成するとともに、あるべき避難所を模索する避難訓練を実施することになった・・・
重要なことです。災害関連死を減らすことと,避難所生活の質を上げることです。避難所はこれまで、まずは被災者を収容し、食べ物を支給することに、主眼が置かれていました。しかし、避難所での生活を改善する必要が認識されました。毎日おにぎりとパンでは飽きてきます。壁や衝立のない体育館の床にごろ寝では、休まりません。トイレも行きにくい。小さな子どもを抱えている親、障害のある人、高齢者には、きつい環境です。
東日本大震災では、避難所生活の質の向上のため、簡単な調査をして、温かい食事、避難所での間仕切り、風呂やトイレ、洗濯機、医師や保健婦の巡回などを提供する努力をしました。仮設住宅でも、孤独や孤立を防止するために、見回りなどの配慮をしています。
また、災害関連死については、自治体の協力を得て、半年ごとに関連死者数を調査しています。平成24年8月には、分析も試みました。
その調査では、発災から3か月以内が多く、高齢者、持病を持った人が多いです。原因は、避難所での肉体・精神的疲労、避難途中の肉体・精神的疲労、十分な治療を受けることができなかったことです。死者数は、その後も増えていますが、6か月以内(仮設住宅に移るまでと思われます)が2,300人と、全体3,300人の3分の2を占めています。