『帳簿の世界史』にも、第13章「大恐慌とリーマン・ショックはなぜ防げなかったのか」として、不正経理を防げなかったこと、そしてそれが会社をつぶしただけでなく、世界経済を危機におとしいれたことが、書いてあります。『バランスシートで読みとく世界経済史』の第9章は、「会計専門職の台頭とスキャンダル」です。どうも、会計には、不正がつきもののようです。
エネルギー会社のエンロンは、帳簿の上では超優良企業でしたが、不正経理がばれて倒産します。それだけでなく、経営者は倒産の前に自社株を売り抜いて、大もうけをします。ご関心ある方は、お読みください。犯罪者と警察の追いかけっこと同じと思えばよいのでしょうが、企業会計、会計監査とは何なのか、疑問になります。まじめにやっておられる関係者の方には、申し訳ないのですが。どこに、問題があるのでしょうか。
さて、エンロンの事例では、電力価格を高値で維持するために、電力会社に発電を停止するように要請したり(それで住民はえらい迷惑を被ります)、森林火災が起きると、高圧線の鉄塔が焼け落ちるのを見ながら、職員が「燃えろ」とはやしたてたそうです。企業利益を優先し、モラルに欠ける行動に出るのです。これは、企業会計とは別の次元の問題です。