新聞を読んでいて、時々「おやっ」と思うときがあります。知らないことが書かれている場合や、「この新聞もこのようなことを書くのだ」といった場合です。
朝日新聞は、夕刊で「新聞と9条」という企画を連載しています。6月9日に次のような記述があります。
・・・1951年9月16日、毎日新聞が次の世論調査結果を発表した。
日米安保条約について、賛成79.9%、反対6.8%
日本の再軍備について、速やかに再軍備した方がよい24.9%、経済が立ち直ってから51.4%、再軍備すべきでない12.1%
20日、朝日新聞も調査結果を発表した。
自衛軍をつくるという意見に、賛成71%、反対16%。
10人に7人が再軍備を支持した・・・
私は、この世論調査結果は知りませんでした。
月別アーカイブ: 2015年6月
夏椿
東京が梅雨入りしたら、待っていたかのように、我が家の夏椿(沙羅樹)が花を咲かせました。昨晩は雨でわからなかったのですが、今朝、3つほど花が落ちていました。今日帰ってきたら、5つも花を咲かせていました。 朝咲いて、夜には落ちる1日花です。白くきれいな、はなかい花です。たくさん、白く丸いつぼみがたくさんついているので、これからしばらく楽しむことができそうです。
先代が枯れ(と言うか、枯らしてしまい)、去年植え替えてもらった、2代目です。まだ枝振りはよくないのですが、Sさんのご指導の下、気長に育てますわ。
健全な外交は安定した政治基盤から
6月8日の読売新聞文化欄、細谷雄一・慶応大学教授の「偏狭化するイギリスの潮流」から。主旨は、イギリスが世界大国であることをやめてしまったのではないか、ということですが、ここでは別の部分を紹介します。
・・・安定した政治的基盤がなければ健全な外交を行うことは難しい。イギリスがアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加を決めたのは、経済的な論理を外交的な論理よりも優先して、財務省主導で判断したからだ。決定の直前まで、同盟国アメリカや日本への十分な説明はなかったために、イギリスの国際的信頼や、同盟国との友好関係を大きく傷つけた。1930年代のドイツへの宥和政策も、財政的見地から財務省が主導したともいわれる・・・
このような見方もあるのですね。
日本学術振興会、東日本大震災学術調査
日本学術振興会で村松岐夫先生が中心となって、社会科学者を動員して東日本大震災の分析をしてくださいました。「東日本大震災学術調査」。3年にわたる大事業です。このページでも紹介しているとおりです。その成果が、順次、本となって刊行されています。
このたび、それとは別に「事業報告書」が公表されました。内容は、本文を見ていただくとして、目次は次のようになっています。
第1 章 調査の経緯
第2 章 発災と初動
第3 章 震災への政府の対応
第4 章 復旧と復興
第5 章 未来への教訓
第6 章 各班の調査研究活動
「はじめに」p2にあるように、今回の大震災では、技術・工学からの分析だけでなく、社会科学からの分析も必要であり、重要だったのです。このような多角的な分析をしていただき、ありがとうございます。
この報告書では、研究調査のいきさつや概要だけでなく、第2章から第5章までで、簡潔に政府の対応が検証されています。この部分だけでも、お読みください(合計20ページ余り)。分厚い報告書も必要ですが、短い文章にまとめることは一般の読者にとって有用です。しかし、それは非常に難しいことです。全体を知り、重要なことを選び、しかもバランスよく記述する。村松先生でなければ、できないことでしょう。また、第5章未来への教訓も、重要です。
なお、p12には、次のような文章も載っています。
・・・被災者生活支援チーム、次いで復興対策本部の担当大臣は、内閣府特命防災担当大臣(当初は松本龍氏、2011 年7 月からは平野達男氏)であったが、事務局次長として実務を動かしたのは岡本全勝内閣審議官(当時)であった。この支援組織は、東日本大震災復興基本法(平成23 年6 月24 日法律第76 号)の規定により、2012 年2 月に復興庁として組織替えになったが、平野―岡本のコンビはそのまま続いた。この復興庁は、複数の省庁にまたがる問題の調整権をもつワンストップ機関になることを理念としていた・・・
過分な評価をいただき、ありがとうございます。
日韓関係、移ろいやすい部分と固い部分
6月1日の日経新聞が、日韓50年を特集していました。そこに、次のような両国での意識調査が載っています。2010年の調査で、日韓の現状について「悪い」「非常に悪い」と答えたのは、日本が12%、韓国では23%でした。2015年の調査では、日本は55%、韓国では79%となっています。5年間で、これだけ悪くなっています。
6月8日の読売新聞(インターネット)によると、日本で韓国を「信頼できない」と答えた人は73%、韓国で日本を「信頼できない」との回答は85%になっています。また、現在の日韓関係が「悪い」と答えた人は、日本では85%、韓国でも89%となっています。
韓流ブームが日本の茶の間を席巻し、日本人の韓国観が大きく変わりました。「冬のソナタ」が放映されたのが2003年です。その後も、韓国ドラマは、日本のテレビで次々と放映されています。私は、国民間で好感情が広がり、日韓関係は新しい時代に入ったと確信しました。それが、この5年間で急速に悪化しました。これは、予想外でした。これは、マスコミ報道による部分も大きいと思います。しかし、ビジネスマンの行き来だけでなく、観光客の多さ、そしてテレビドラマや映画などの文化の相互浸透によって、基礎部分は変わっていないと信じています。