賛成と反対の議論を載せる、良識ある報道機関

五百旗頭先生が、「間違いなく新しいまちづくりがスタートしている。それは昨14年に本格化したが、不思議なことにメディアはあまり報道せず、したがって国民的認識になっていない」と、書いてくださいました(2015年5月21日)。先生が書いておられるように、事業が進んだり、復興が進んでも、日本のマスコミはそれを書いてくれません。逆に、うまくいかないことを中心に報道します。現地を見ない多くの国民は、それを読んで、「復興は進んでいないんだ」と思います。
ところで、河北新報の報道には、敬意を表します。河北新報は東北のブロック紙です。後期5か年事業見通しについて、どちらかといえば地方負担導入反対の論調のようです。しかし、今週3日にわたって連載したインタビューは、賛成と反対の両方の論者の意見を載せています。ありがとうございます。

5月18日、(被災地首長)佐藤仁・南三陸町長
5月19日、(元別の地域の首長)寺田典城・参議院議員
5月20日、(学者)和田明子・東北公益文科大教授

五百旗頭・前復興推進委員長、5年目の復興の評価

今日5月21日の毎日新聞に、五百旗頭真・前復興推進委員長の岩手県視察結果についての寄稿が、載っていました「三陸復興の3類型 新しいまち創造、始動」。
・・・4月下旬、岩手県の三陸海岸被災地を数日かけて訪ねた。
驚いた。ついにその時が来た。この地域全体がうなりをあげてまちづくり土木工事まっさかりである。こんな広域の国土改造は久しく見たことがない。
復興構想会議議長であった私が、「率直に言って遅すぎる」と時の総理に申し上げたのは、大震災の起こった2011年の秋であった。政変に2、3カ月を空費し、被災地が冬を迎える前に槌音高く再建を始めることは不可能になったとの抗議である。問題は避難所から仮設住宅への移行であり、がれき処理であった。一体いつになれば、本格的なまちの再建が始まるのか・・・
・・・5度目の春の今、ついに本当に春がやってきた。間違いなく新しいまちづくりがスタートしている。それは昨14年に本格化したが、不思議なことにメディアはあまり報道せず、したがって国民的認識になっていない・・・
ありがとうございます。先日の「これまでの総括」(5月12日)でも公表し、このページでもたびたび書いているように、津波被災地域では着実に復興工事が進み、住宅再建の見込みがつきつつあります。ぜひ、原文をお読みください。

被災企業の奮闘、朝日新聞

朝日新聞経済面で、被災した企業の復興への取り組みを紹介する連載が始まりました。5月20日の第1回目は、宮古市の「チーム漁火(いさりび)」です。このホームページでも紹介したことがあります。マスコミでも、しばしば紹介されています。イケメンのイカ王子も有名です。
30~40代の水産加工会社の若手経営者が集まって、得意分野を生かした協業を立ち上げています。ウニ、鰹、鱈、鮭、イクラ、イカとそれぞれの得意分野が違います。しかも魚種によって取れる時期がずれるので、協働するメリットが大きいのです。かつてはライバルでした。でも、それを越えて、加工と営業で協力する道を選びました。災害がなければ、生まれなかった協業です。そして、若手二世を中心とした、新しいことへの挑戦です。
詳しくは、原文をお読みください。復興庁でも挑戦事例を紹介しているのですが、この記事のような「物語」は、わかりやすいですね。ありがとうございます。

絵と映像で見る復興

3月に仙台で開かれた国連防災会議の際に、内外の方に復興の道のりを理解してもらう、簡単なパンフレットと14分間の映像をつくりました。
日本語版は、こちら。英語版は、こちらで、見ることができます。
パンフレットも写真中心で、映像もわかりやすいです。公務員だけでつくったのでは、ここまでわかりやすくはなりません。お薦めです。