朝日新聞5月30日オピニオン欄、北岡伸一先生のインタビュー「戦後70年談話」から。
・・・こういう立場(21世紀構想懇談会座長代理)に就くといろいろ批判を受けることがあります。安保法制懇では朝日新聞から何度もたたかれました。日本の安全保障を考える時、国際構造や周辺国との軍事バランス、関係国の対外認識や意思決定システムから出発しなければなりません。ところが朝日新聞は「憲法の解釈を変えていいのか」「政府の歯止めはどこにあるのか」と、国際情勢から説き起こさない報道ばかりでした。すれ違いが多く、残念でした。
今回の議論にも通じる話ですが、日本はかつてなぜ戦争に突き進み、現在はなぜ平和的に発展していると思いますか。それは憲法9条があるからではなく、世界の構造が変化し、その中における日本の位置が変わったからです。戦前の貧しい時代には「土地の膨張が国の発展につながる」という思い込みがあった・・・戦後の日本は自由な通商貿易に生きることを決意し、発展した。従って自由で安定した国際関係の維持こそ日本の生命線であり、そのための責任の分担や国際貢献が不可欠だと考えています・・・