問:憲法9条には戦前の軍国主義や侵略戦争への反省のメッセージもあります。
明石康さん:・・9条があろうとなかろうと、我々は歴史の重みを受け止め、反省すべきだ。9条がなければもっと歯止めがなくなるというのが朝日の心配なのだろう。
問:確かに心配です。
明石:ドイツは9条がないけれど、戦争への反省を行動で示している。わが国の政治家は9条があっても、戦争責任の問題で失言を繰り返している。これを見れば、9条が歯止めになっているとは言い難い。
北岡伸一教授:(朝日新聞は)世界中が9条を評価しているとも主張しているが、過大評価だと思う。戦力を持たないと言いながら自衛隊を持っていることで、不信を招いている面もあるのではないか。
問:9条は米国の過剰な要請をかわす役割を果たしている、との見方はどうですか。
北岡:(朝日は)政治が9条の役割を代替できるかは心もとないと主張している。ところが、中国との付き合い方を論じた別の提言では、政治や外交に強い説得力を求めている。提言は、分野によって政府を無力にしたり、万能にしたりしているように見える。