朝日新聞1月29日オピニオン欄に、森達也さんが「対テロ、多様な視点示せ」を書いておられます。本旨と少し外れたところを、紹介します。
・・仏週刊新聞シャルリー・エブドへの襲撃事件直後、テロに抗議する大規模なデモ行進が行われたフランスに、世界40カ国以上の首脳が駆けつけた。「私はシャルリー」と書かれたプラカードを掲げながら「表現の自由を守れ」と叫ぶデモの様子は、最前列で腕を組みながら歩く各国首脳たちの映像と相まって、世界中に連帯の強さを印象づけた・・
・・実のところ各国首脳たちは、デモの最前列を歩いてなどいなかった。デモ翌日の英インディペンデント紙(電子版)に、首脳たちの行進を少し上から撮った写真が掲載された。見た人は仰天したはずだ。首脳たちは通りを封鎖した一角で腕を組んでいた。後ろにいるのは市民ではなく、数十人の私服のSPや政府関係者だ。つまり首脳たちは市民デモを率いてはいない。
ただしメディアが嘘をついたわけではない。首脳たちが市民デモの最前列で歩いたとは伝えていない。記事を読んだり映像を見たりした僕たちが、勝手にそう思い込んだだけだ・・
私も、この画像を見て、変だと思いました。職業病で、総理を危ないところに出してはいけないと考えます。ましてや、直近にテロが起こったところで、世界各国の首脳が集まるのです。テロリストにとってこんな「標的」は、めったにありません。近づかなくても、飛び道具を使えばよいし、命中しなくても近くで爆発すればよいのです。各国の要人警護担当が、よくまあこんな危ないことを許したなあと、疑問に思っていました。この解説で、納得しました。