河北新報が、復興についての、仙台市民と市役所の認識の隔たりを報道しています。10月24日付け「復興施策『進んでいる』3割以下・仙台市民」。
市役所が行った市民意識調査で、仙台市が取り組む東日本大震災からの復旧・復興の施策10項目について、「進んでいる」と感じる人の割合が、一部を除き3割以下にとどまっています。
他方、市は、震災復興の重点54事業の2013年度の進行状況に関し、一部で遅れが生じているものの、目標達成に向けて着実に進んでいると判定しています。その差は、どこから来るか。奥山恵美子市長は、定例記者会見で、次のように述べておられます。
「災害公営住宅を例にすれば、市は計画通りの着工を順調と判断するのに対し、市民は8~9割の入居が済んだ時点で復興したと感じるだろう。」
ご指摘の通りです。被災地では高台移転やかさ上げ工事が進んでいます。一部に遅れがあるものの、ほぼ計画通りです。しかし、被災者や外部からの視察者は、「3年半経っても、まだ家が建たないのか」とおっしゃいます。がれきを片付けたら家を再建できた阪神淡路大震災と違い、今回の被災地では高台移転の工事に時間がかかるのです。また、住民の意見を聞き合意を取り付けるのにも、結構な時間がかかりました。その点を理解してもらいたいです。
また、津波被災地では、海岸部であって危険なので住宅を建てないため、更地のままの土地が広がっています。これを見て「何も進んでいない」と指摘する人もいます。これも、困ったことです。