すると、喧嘩にも、限度や流儀があります。将来もう一度顔を合わせたときに、ばつの悪い思いをしなくてすむように、しておかなければなりません。もちろん競争や勝負である以上、勝ち負けは避けられません。
しかし、スポーツ競技のように、ルールを守った勝負をすること。ルールがない場合でも「何でもあり」ではなく、後で恨まれないような勝負に、しておかなければなりません。相手に「逃げ道」を用意することも、古来、戦争の世界では常道でした。相手を消滅させるのなら別ですが、そうでないなら、100%の勝ちは良くありません。
罵り合いもほどほどにしておかないと、将来立場が変わったときとか、後世の子孫に負の遺産を残すことになります。孫がしっぺ返しを受けるのです。いずれにしても、大人の付き合いに、罵り合いは上策ではありません。
明治や昭和初期の政治指導者や軍部の指導者は、100年後・80年後にこんなことになっているとは、考えなかったのでしょうね。もし、その人たちに見せることができるのなら、今の日本とアジア諸国との関係を見てもらいたいです。
ある時点でとるべき行動を判断する場合、その時点での評価だけでなく、将来の人から見たらがどのように見えるかという視点が重要です。いっときの勝ちか、長い勝ちかです。感情で盛り上がる応援団や国民に対して、指導者や選手たちがどれだけ理性的に判断し行動できるか、ということでもあります。