今日は所用で、山形県新庄市まで行ってきました。行きの山形新幹線は席が取れたのですが、帰りは満席で予約できませんでした。職員が知恵を出して、陸羽東線経由で切符をとってくれました。新庄駅を15時発の「リゾートみのり」という観光列車です。仙台駅まで、2時間半もかかります。仕方ないですね。車両はきれいな塗装がしてありますが、これは乗っている乗客からは見えないので、ほとんど無意味。1号車に乗ったら、運転台の後ろに展望スペースがあって、前景が丸見えです。運転手気分になれます。分水嶺まで登り、宮城県に入って太平洋に向かって下ります。途中に鳴子温泉があって、鳴子峡では徐行して渓谷美を見せてくれます。1時間ほど運転手の後ろに座って、景色を楽しみました。紅葉の季節ではありませんでしたが、良かったです。時間はかかりましたが、満足です。
仙台駅からは切符がとれていたのですが、50分待ち。乗った列車は、通路までお客さんが乗っているほどの混みようでした。予約が取れないはずです。お盆休みが終わる日曜夜ですからね。行きは3時間、帰りは5時間かかりました。7号車10Bの席に、私の直前に座っていたお客さんへ。ゴミは座席に置きっ放しにせずに、持って降りましょう。
月別アーカイブ: 2014年8月
行政の役割と手法の変化、企業の育成から企業統治へ
日経新聞経済教室8月8日、ニコラス・ベネシュ会社役員育成機構代表理事の「企業統治改革、独立役員3分の1以上に」から。氏の主張は原文を読んでいただくとして、私が官庁論から注目したのは、次のくだりです。
・・政府が日本再興戦略の改訂版を公表した2014年6月24日は、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)の近代化が本格始動した日として、おそらく歴史に残るだろう。成長戦略の柱に「『稼ぐ力』を取り戻す」と掲げ、企業統治の強化と「コーポレートガバナンス・コード」策定を宣言したのである・・
・・筆者は長年、日本企業の役員を務め、現在は社内外役員の研修を提供する組織である公益社団法人、会社役員育成機構(BDTI)の代表理事に就いている。その経験から、今回は日本の企業統治に大きな変化をもたらすチャンスであると実感している。
特に注目すべき点は4つある・・
・・第4に、日本の企業統治の基盤整備に関する責任の所在が、産業界と結びつきの強い経済産業省から、投資家保護や金融市場の円滑化を法律上の義務として負う金融庁へと明確に移されたことである。
これらは政府が本格的な統治改革を志向していることを示す。例えば日本再興戦略の改訂版は「社外取締役の積極的な活用」に言及している。政府が内部出身の業務執行取締役について「彼らだけでは彼らを監視できないこともある」と公に認めたことは、よりよい統治を求めて他国で30年以上続く議論に日本が加わることを意味する。
世界で使われている企業統治の概念に長年眼をつぶってきた「不思議な国ニッポン」から、資本市場の効率と投資家保護を優先する統治の枠組みを持つ「普通の国」に変わる絶好のチャンス―。内外の投資家はこうみている・・
企業統治の観点からは、企業内特に内部出身役員と、株主や取引先などの関係者の利害を、どう解決するかが重要です。企業を育成し、欧米に追いつく時代が終わりました。すると、政府の仕事のやり方が、行政指導・事前調整による業界や企業の育成から、ルールを定めて企業には自由に競争させ問題があれば事後に規制する方式に変わりました。さらに、視野が広がって、企業だけでなく株主や取引先という利害関係者までを入れた「企業統治」をどう確保するかに行政の課題が広がっているということです。すると、経済産業省でなく、金融庁の出番になったということでしょうか。
覇権国家イギリスを作った仕組み、7
しばらく中断していましたが、近藤和彦著『イギリス誌10講』の続きです。
6 歴史の見方、書き直し
かつての歴史学が扱った「政治史、英雄の歴史」と、新しい歴史学が扱う「社会の歴史」をどう繋ぐのか。「歴史の書き直し」によって、歴史はどのように変わって見えるのか。この本は、その答になっています。先生の視点は、イギリスが直面した「社会問題」を、国家はどう解決したかです。
そもそも、この本を読んだきっかけは、近藤先生の「世界史が書き直された」という文章からでした(2014年7月6日)。その際に、かつての「英雄の歴史」ではなく、「社会の歴史」を書くとしても、その2つを繋ぐ必要があります。2つを別々に記述しただけでは、「歴史とは何か」という問に答えたことにはならないのでしょう。
すると、社会の変化が、支配者や支配階級の意図とは別の要素で起きているとしても、その社会の変化に支配者や関係者はどのように対応したのか、しなかったのか。そこに、自然発生的と見える社会の変化と、それを進める・押しとどめる・亀裂を防ぐ「人為・政治」との相互作用が、「歴史とは何か」の答になるのでしょう。私は、近藤先生の話を、このように理解しました。
さて、歴史は過去の出来事であり、既に事実となっています。それを、後世の人が見る際に、角度を変えると、こんなにも違って見えるものなのか。なるほどと思います。E・H・カーによる名言「歴史は、現在と過去との対話である」(『歴史とは何か』邦訳1962、岩波新書)を、思い出させます。
このような、社会の変化と政治(関係者の対応)との相互作用の経過と結果を歴史とするなら、それは歴史小説に書かれるような英雄と戦争の歴史ではなく、また劇的な出来事の歴史でもありません。たぶん、もっと時間は長くかかり、登場人物も有名人だけでなく(相手が社会なので)、血湧き肉躍る話ではないのでしょう。映画には、なりにくいですね。
この項続く。
インターネットによる攻撃
政府機関を狙ったインターネットによる攻撃が、さらに激しくなっているようです。さまざまな対応がされています。復興庁でも、一定のルールで、外から来たメールを「隔離」する仕組みを入れています。今日の会話です。私の携帯電話が鳴りました。
職員H「見てもらいたい資料があるので、私の自宅からメールで、岡本統括官の自宅と職場のパソコンに送りました。職場にも着いていますよね」
この職員は、私の行動をよく知っています(笑い)。
全勝「今見ているけど、職場のパソコンに着いていないよ。アドレスを確認してみて」
職員H「まちがいないです。なぜでしょうね。じゃあ、家に帰って、自宅のパソコンで見てください。対応は、月曜日で良いので」
全勝「了解・・・ちょっと待って。あなたからのメールは、迷惑メールと認識されて、隔離されているのかも」
確認したところ、やはりそうでした。受け取り拒否を解除して、読むことができました。
少々面倒ですが、安全を守るためには、仕方ないことです。でも、個人の自宅のパソコンは、ここまで厳重に警戒していませんよね。ウイルス対策ソフトは、入れてありますが。先日届いた見知らぬ方からのメールに、添付ファイルが付いていました。怖いので、ファイルを開かずに対応しました。
夏休み
実は、13日から夏休みを決行中です。部下から、「部下が休みを取りやすいように、上司から休んでください。決して、職場に出てきてはいけません」と、釘を刺されたのです。とはいえ、メールは、どこまでも追いかけてきます。