覇権国家イギリスを作った仕組み、9

近藤和彦著『イギリス史10講』の最終回です。
8 碩学の成果を、こんな簡単に読める。
300ページの新書版に詰め込むには、大きすぎる内容です。近藤先生は、記述の際に、原典となった文献名や研究者の名前を載せることで、先達に敬意を表するとともに、読者にさらなる勉強のとっかかりを示してくださっています。さらに勉強したい人は、そこに出ている研究者(日本人も多いです)を、検索して、元の論文を探すのでしょうね。
また文章の中で、関連する他のページが( )書きされています。これは便利です。随所に、先生の工夫が見られます。
これだけの内容が、900円+消費税で読めるのです。お薦めです。
引き続き、先生の『民のモラル―ホーガースと18世紀イギリス』(2014年、ちくま学芸文庫)、『文明の表象 英国』(1998年、山川出版社)を、読みました。それらも、興味深かったです。その感想は、別途書きます。何しろ、この『イギリス史10講』を読んでから、思うことをこのホームページに書き始めて、1か月以上が経ちました。